本当に求めていることだけが自分のものになる
目的を知ることでクオリティを上げる
最近ワークショップに来られるようになった男性は
70代になられてから、バレエを始められた意欲的な方である。
体を動かすことはずっとされてきたが
今はバレエにはまっておられるそうだ。
初めて来られた時は開脚も坐骨が立たなくて大変そうだったが
WSが終わる頃にはきれいな開脚が出来て
2回目には開脚前屈もかなりきれいになられて、前後開脚も
コツをつかまれて伸びやか。
年齢的に若い人より、ずっと心も体も柔軟である。
そして昨日は通常レッスンに来られた。
全身をつなぐこと
リクライニングシートのように腹筋運動
を段階を踏んでやってみて
そこからできることをやっていると
楽に脚が上がっていくが
「坐骨が感じられると、軸足が押せるんですね!」
と、自分自身で感じてつかんでいかれるのがいい。
いろいろお話していると
「それをしたら、どうなるのか
何のためにそれをするのか、わかっていてするのと
言われるまま、何もわからないでするのとは違いますね。」
ここからこうつながる、そうなるとこちらも動くとイメージできれば
形を真似するのでなく、本質をとらえるレッスンができる。
それは無我夢中で、訳も分からずにする受け身のレッスンでなく
自分自身から起こす能動的なレッスンになる。
自分が望んで自分から起こすレッスンは楽しい。
体がどう動いていくかを感じることができるのは
すぐにできなかったとしても楽しい。
それは「まねごと」ではないからだ。
大人と子供とは違う。
人生で培った経験がある。
体のことはたくさん知らなくても
その経験の中で
ひとつのことをやっていく上での過程を知っている。
「何のためにするのか」がわかっていれば
自分に置き換えて濾過する受け止め方を知っている。
「動かされる」レッスンでなく
「自ら動く」レッスンが大人のレッスンであると思っている。
「体のことを知るのは実に楽しいですね」
と笑顔で帰って行かれた。