顔の表情、体の表情
自分の体を思い描く
『細くて狭いところから、脚を出すとしたら、どんなふうにする?』
小学生の子供にそう聞いてみたら面白かった。
腰を上げて見たり、お腹を細く伸ばしてみたり
骨盤を後傾させたり、前傾させたり、股関節を入れ込んでみたり
脚を突っ張ってみたり・・
私はこういうことは大事なことだと思う。
自分で想像して考えてみたり、実際に体をいろんな形にしてみたりするのは
感覚も感性も育って行くからだ。
大人のクラスでも、事前に予備知識を与えずに
中心に集める感覚を感じていくのに、どんなふうにすると感じられるか
組になって探してもらった。
非常にいい感じの方がいたので、そこから少し手助けして発展させていった。
聞いてみると、
「自分の体の流れが頭に浮かびました」
と言われる。
こちらから示唆して、外側から得た情報でみつけた感覚でなく
自ら体をイメージしていく経過で、自然につかまれた感覚である。
自分の内側から自然に引きだされたことは、容易に消えず
間違いなく身に付いていく。
外から得て、内に納めて、浸透させて変化していくものを
また改めて引き出すような地道な作業が習慣になると
毎日の生活そのものがレッスンになる。
「できない」「うまくいかない」
と、言われる人の中にも、気づかないだけで、
ちゃんと育てれば芽を出す種がある。
試行錯誤して、たとえ間違っても、それは違っていることを体が覚えてくれる。
間違えてボツになったものも、無駄にはならず、次への足掛かりになる。
自分の体に意識を向けることは、子供の遊びのように
シンプルに考えてみると、無理なく体が反応してくれることが多い。