「ほんのちょっと」から始めましょう
自分の体感覚を育てる
自分の体を自分自身がどれだけ知ろうとするか。
体の可能性を広げていくには
それが不可欠のように私には思われる。
「体固いんですよ」
「あ!それ、私は無理なんです」
そうおっしゃる人は多い。
体が硬くても感性は柔らかい人もいるし
先ほどのようなことをおっしゃる方を否定するつもりは毛頭ない。
でも勿体ないなあと思ってしまう。
まんまるにしている背中も、盛り上がった肩も
少しの意識の向け方で、うんと楽になるし
街中のショーウインドウに映る自分の姿にがっかりすることもない。
体を始終扱い、とてもよくわかっている人でさえ
「ここは傷めたところだから、もう伸びない」
と言われることもある。
私自身も以前はそう思っていた。
20年以上前に根性だけで開脚し、あまりによく開いたので
「もう少し!」
と、無理矢理開いたら、内腿の筋が切れた。
また、その直後は感覚がなくなって良く開く(笑)
「切れたら開くの?」
と思ってしまったくらい。
次の日起きたら、全く開かなくなっていた。
体のことを知らないままに、無我夢中でやっていた頃の話である。
かなり長いこと、内腿には触ると固いこぶができていた。
もう自分の脚はこれが限界だと思っていたし、脚を開くことには消極的になっていた。
しかし、全身を整えていき、
無理なく流れの方向に添っていくことをしていくと
いつのまにかこぶはなくなり、気付いたら無理なく開くようになっていた。
その頃より当然、年齢はうんと上がっているが
今の方が若い頃より、パフォーマンスの高い体になったと思っている。
この方は股関節に痛みがあり、感覚が感じられなかったり
骨盤と脚が一塊になって、座ると腰が丸くなっていた。
脚を外に開こう、まずアンディオールしようとする意識が強かったので
お尻の底が真下を向いた時の、この方の坐骨の向きに合わせて
骨で見る長座前屈、お尻の方向参考。
内股にはなるが、足の付け根が下向きのまま、開脚してもらった。
股関節が入れ込まれて、骨盤と脚は分かれて無理な痛みがない。
まだ内股のままだし、背中も前に倒れてはいるが
ここから坐骨の位置を自分で操作できる感覚がつけば、無理なく外に向いた脚になり、
楽に体も起こせるようになる。
坐骨から土踏まずまでは流れが通っているから、1本通したまま、回せるようになる。
痛みなく、気持ちよく開いたので、実はお顔は満面の笑みである。
いきなり直接の目的に到達することでなく
全身を整えていけば、自然な流れがついてくる。
自分の体を知り、体感覚を育てていけば
世界一脚が開かなくても、自分の中の自分一にはなれる。
うまさきせつこモダンバレエ研究所HP
せつこのゆったり自分コントロール