不器用はハンデではない
空を飛ぶ
空を自力で飛んだことはございません(~_~;)
でも、あの体が宙に浮いている時の浮遊感は
一瞬、違う世界に行く。
子供の頃、太っていて体も弱く、ドンくさかった私。
階段を2段ごとに飛びながら下りたくてよく飛んでいた。
何を思ったか、思い切り10段(子供の私にはそのくらい飛んだように思えたが
実際は6~7段くらいだったかも知れない)を飛んだ。
軌跡的に踏み外すこともなく、階段半ばに片足で降りた。
頭の中が痺れるほどの気持ちよさ!
自分がドンくさいことは自覚していたので、2度とないことと満足して
それ以来階段飛びはやっていない。
葛西 紀明選手はすごい!
彼が19歳でアルベールビルオリンピックに出場した時のことはよく覚えている。
ラージヒルで4位だった原田さんの方に目が行ってしまっていたから
「若手のホープ」という感じでしか覚えていないが
前回も今回も「あ!まだ現役で飛んでおられるんだ」と嬉しかった。
41歳。
風に影響されて力の出せないジャンパーをよそに
泰然自若に悠々と飛んでいる姿。
大鷲みたい。
この過酷な競技で、長年継続して無駄のない体で大鷲みたいに飛べるのは
誰にも想像できないほどの心と体の葛藤を繰り返して来られたからだろう。
そこを通って、ご自分としてはごく自然で当たり前に飛んでらっしゃる気がする。
力みも気負いもなく、「空を飛ぶ」ことがご自分にとって
ごく普通のことなのだろうと思う。
「次は金メダルという目標ができた」と言われるのも
しごく自然で素敵だと思う。
体も痛められているだろうが(現地でも腰を痛めた、と聞いた)
それも競技を続けて行く中の「普通にあること」として
ご自分の中にある。
いろんなものを心と体に内蔵して、自分の体を知りつくし
風と雪を誰よりも知っている。
彼が飛ぶ姿はきれいだ。
飛型はどこまでも体が伸びて、風と同化している。
この飛型と同じことをよくレッスンではやっているが
ガンガンに外側の筋肉をつけていたら、こんな飛型にはならない。
スキージャンプの選手がどんなトレーニングをするのかは知らなかったが
いろいろ調べてみるとジャンプの効果を上げる助走姿勢や
「軸の中心を意識する」ことが言われている。
体の流れが風の流れにつながっている。
だから風に乗れるのだ。
空を飛ぶのと同じ練習を私たちもしているんだなと思う。
世界を飛べなくても、自分の宇宙は飛べる。
オリンピック選手でなくても、年齢が高くても自分の体を知り、活かしていける。
「歳だから」「体をいわしてるから」「長いことやってないから」
理由はいくらでもつけられるが
継続したものが自分の宇宙を飛べる。
今やっていなくても、継続はこれからでも遅くない。
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