マイベストプロ神戸

コラム

メールの宛名は全部 Dearでいい?~英文ビジネスメール・ミニレッスン

2015年1月4日 公開 / 2017年11月26日更新

テーマ:英文ビジネスメール・ミニレッスン

コラムカテゴリ:ビジネス

英文メール~社内文書
明日5日が仕事始めと言う方も多いことでしょう。早速メールを英語で書かなくては、とお考えかもしれません。一番最初に書く宛名ですが、とにかく "Dear "で始めなくては、と思っていませんか?その次にはファーストネーム?意外とわからないものですね。そこでクイズです、次の中で間違っているものはいくつあるでしょう? Let's try!

クイズにチャレンジ!間違っているのはどれ?

1 Dear Ms. Yuko, (Dear + Mr/Ms + ファーストネーム)
2 Dear Mr. Brown, (Dear + Mr/Ms + ファミリーネーム)
3 Dear Mr. Glenn Brown, (Dear + Mr/Ms + フルネーム)
4 Dear President, (Dear + 肩書)
5 Hello Glenn, (Hello + ファーストネーム)
6 Hi Yuko, (Hi + ファーストネーム)
7 Hello Ms. Sangu (Hello + Mr/Ms + ファミリーネーム)
8 Hi Mr. Brown, (Hi + Mr/Ms + ファミリーネーム)
9 Dear All,
10 Hi everyone,

こう並べてみると組み合わせによって実にたくさんありますよね。これはすべて私(副校長)が実際の英文メールで見たパターンです。解説とともに正解をご説明しましょう。

ポイントその1 "Hello" なのか"Dear"なのか?

欧米でも、Dearは時代遅れである、女性っぽい、親しみをこめすぎていてビジネスにはふさわしくない、などの批判があるようです。この件に関しては正式なマナーというものがどの国でも全くあいまいになっています。職場での服装と同様に、業界によっても許容範囲は違ってきます。個人的には、私は不快感を覚える人がいることを考慮して、丁寧に"Dear"にしておくに越したことはないと考えます。あるアメリカ人ビジネスマンは「名刺交換をした程度なのに初めてのメールで"Hi Paul" と書いてくる人とは、私はビジネスはしない」と言いました。相手の年齢や背景がよくわからない初期の段階では特に注意しましょう。

ポイントその2 "Dear" の後はファーストネームか、それとも苗字なのか?

親しい間柄なら、Dear よりHi+ファーストネームの方が一般的です。同僚に宛てる場合は、相手が年上であっても上司であってもファーストネームでかまいません。上司以外の同僚なら、ファーストネームでいきなり始める場合もあります。 "John, I was thinking about your proposal." 「ジョン、君の提案について考えてみました」
丁寧な人は友人同士でもやはり Dear を必ずつけるようです。特に女性に多いように思いますが、これは日本語のメールでも「優子様」と必ず書く人が多いのと同様だと私は考えています。

Dearを書いたらファーストネームに敬称は必要ありません。 "Dear Ms. Yuko" は使いませんので注意しましょう。したがって1は間違い、2は正解です。

ポイント3 フルネームを書く時とは?

通常、敬称は短縮形(Dr. Ms. Mr. Prof. など)で、ファミリーネームのみを続けます。短縮すると意味がわかりにくい敬称は略さずに書きます。 (Professor, Senator, Governor, Captain, Admiral, Judge)したがって3番は間違いです。

フルネームを書くのは、相手の性別が不明な場合に限られます。本人と面識がない場合、ファーストネームを見て憶測でMr./Ms.をつけるわけにはいかないので、Dearのあとにフルネームだけ書きます。 例えば、ChrisやJean, Robinなどは英語名の中で男女両方によく使われる名前の代表例ですから、注意します。性別を考えなくていい日本語の「様」は便利ですね。
また、外国名で性別判断がしにくい場合やどちらがファーストネームかわからない場合もあります。その時は、"Dear Park Jae-sang:"のように敬称(Mr/Ms)をつけずにフルネームで書きます。

ポイント4 相手の名前がわからない時は?

極力、インターネットで相手の名前を調べて書くように努めます。どうしてもわからない場合、或いは不特定の相手に限り、Dear の後に肩書きだけ書きます。"Dear Readers:"「読者の方へ」 "Dear Director of Marketing:"「営業部長様」 こういう場合に限りますので、「社長様」に当たる4の書き方はあまり適切とは言えないでしょう。

社内のグループに宛てて書く場合は"Dear Sales Team:" "Dear Colleagues"がよく使われます。 9の"Dear All" 「皆様」は英語圏でも意見が分かれるところですが、私個人としてはもう少し具体的に書くほうが良いと思います。

ポイント5 Dear の代わりに Hello や Hi でもいい?

HelloはDearとHiの中間に位置します。 Good morning のように時間の制限もないので、よく使われます。社内文書で、かつ社風が割りに自由な場合は、相手が目上でもHelloを使えばよいでしょう。特に若い世代では Dear は堅苦しすぎると感じる人も多いので、逆に社内では使わない方が良いかもしれません。 つまり、5・6・7は正解です。

Hi はくだけた感じなので、親しい人や同僚に使います。目安としては、相手が Hi でメールを始めるようになったら自分もそうすれば良いと思います。相手が Hi Yuko で書いてきているのに こちらがいつまでも Dear Mr. Jones と書いていると、距離を置いていると思われて逆効果なこともあるので、注意が必要です。このように Hi は親しさの表れですから、8の組み合わせは間違いです。

というわけで、 明らかな間違いは、1と3と8の3つ。グレーゾーンが4と9でした。いかがでしたか?

最後に、補足です。以前よくマナーの本にあった「関係各位」にあたる"Dear Sir/Madam" "To Whom It May Concern." は、今はほとんど使われません。これは名前を調べる手間を惜しんだと取られ、失礼であるという見方が圧倒的です。

神戸ビジネススクール(株)では、ビジネスに本当に役立つ英語を効果的に学ぶことができます。社内企業研修から個人レッスンまで、英語でお困りのことがあれば、お気軽にお問い合わせください。無料体験レッスンも実施中です。
https://www.kobebs.com/contact/

この記事を気に入ってくださったら、こちらもおすすめです
英文ビジネスメール・ミニレッスン「いつもお世話になっております」
英文ビジネスメール・ミニレッスン 「突然メールを差し上げます」 

この記事を書いたプロ

グレン・ブラウン

ビジネス英語研修のプロ

グレン・ブラウン(神戸ビジネススクール)

Share

関連するコラム

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ神戸
  3. 兵庫のスクール・習い事
  4. 兵庫の英会話教室・スクール・レッスン
  5. グレン・ブラウン
  6. コラム一覧
  7. メールの宛名は全部 Dearでいい?~英文ビジネスメール・ミニレッスン

© My Best Pro