素敵なお雛様2013 ② 『名匠の立雛をコンパクトに♪ ≪鈴木賢一 黄丹の袍≫』
福順号 注目のお雛様をご紹介♪
今回は人形のメッカ埼玉県に工房を置く「平安道翠」さん制作の蘇州刺繍(そしゅうししゅう)の御衣裳を着せたお雛様です。
屏風は二曲タイプ(にきょく・ふたつおりのたいぷ)で合わせ、下の黒塗りの台の幅に合わせずセッティングしております。
一般的には飾り台の幅まで屏風はくるのですが、こちらは主役の人形をより一層引き立たせてくれています。
前回コラムにも登場した駿河(するが)の伝統工芸「千筋細工(せんすじざいく)」の行灯となっております。
デザインが上品でカッコよく、こちらの行灯だけでも飾りたくなる程です。
しかしながら、主役は「親王様」(笑)。
ほどよく引き立て役に回ってもらうため、屏風の背景から外れてもらっています。
目立ち過ぎず主張し、見事な脇役になってくれています。
しかも、コードレスタイプとなっており、ほんのり明かりを灯せます。
前飾りには、梅柄タイプの上品な行器(ほかい・御馳走が入っている設定)で合わせております。
今回のお人形に対して、一般的にはもう少し大き目のタイプを飾るのですが、通常は後方に来る行灯を、前方に配置することにより、一回り小さめのタイプでばっちりバランスが合っています。
柄も艶やかな黒の中に程よいサイズで梅が描かれており上品です。
お殿様です。
衣装は勿体なくも三大刺繍のひとつ「蘇州刺繍」となっております。
近年の刺繍は、化繊(かせん)による機械刺繍が多いのですが、こちらは正絹(しょうけん)の手刺繍となっております。
正絹ならでは色の深みや、糸の質感での刺繍は独特な立体感があり、なんとも豪華に見えます。
道翠さんのお雛様は、見えない部分までこだわっており、裏張りには「細川手漉き和紙」を使用し、お人形内部の綿入れをふんだんかつ丁寧にされております。
そうすることにより、全体的にしなやかさが表現され、ふっくらとしたお人形になります。
左右のバランスもよく胸元や肩のラインもやわらかな感じがします。
★詳細画像はコチラ★
屏風は紙張りではなく、シンプルな柄の京友禅を使用したタイプとなっています。
仕立自体も、金具を使用せず昔ながらの技術を要する本仕立ての紙番(かみつがい)となっており、視覚的にも隙間がなく美しいです。
屏風のサイズに特徴を持たせることにより、主役のお人形が『きわやか』に引き立っております。
きわやか(際やか)・・・くっきりとしたさま。
※撮影時、小道具(扇や刀、冠など)は省略させて頂いております。
以前、お客様に「最近のお雛様は帽子(殿の冠)とか扇が無いのね」とご指摘を受けましたので、念のため(笑)
大好評♪ 『福順号 注目のお雛様』
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