オンライン講演「思春期・反抗期の子どもとのつき合い方〜自己肯定感を育てる7つの関わり〜」:枚方市教育委員会主催
中学3年生になると数学でルート( √ )というのを習います。
「平方根」という単元です。
2乗するとaになる数を、aの平方根と言います。
これは中学生にとっては新しい概念であり、普通の子でも理解するのに苦労するものです。
ましてや常に数学の点数は2〜30点台だという生徒にとっては
「なんのこと?」てな感じになって、
そこから「これ、大人になって使うか?」という疑問になり、
しまいには「どうでもいいわ」「知らんわ」と放り出してしまうことになりかねません。
こんなふうにして数学がどんどんわからないことが積み重なってしまってやる気を失ってしまうことはよくあることです。
そういう数学が苦手な生徒にこの「平方根」の上手い教え方を紹介します。
まずは教科書に載っているような難しい言葉で生徒に説明してはいけません。
そういう数学の専門用語のような言葉を使われると生徒たちは一気にやる気を失います。
例えば中3の教科書には
2乗するとaになる数を、aの平方根といいます。
つまり、
aの平方根はxの二乗=aを成り立たせるxの値のことです。
と説明してありますが、皆さんはこれで平方根が何かわかりますか。
半分くらいの人はわかるでしょうが、残り半分くらいの人はわからなかったのではないでしょうか。
わからなかった人はこの文章から平方根がイメージできなかったからわからなかったのです。
つまり「わかる」とは「イメージできる」ということなので、
生徒に「平方根」をわからせるためには、それをイメージしやすいようにしてあげることが大切なのです。
具体的にはどう教えるのか。
いきなりこんなふうに紙に書いて教えます。
「25の平方根は5と−5。16の平方根は4と−4。9の平方根は3と−3。
じゃあ49の平方根は?」
「ヒント出そうか。81の平方根は9と−9。9の二乗は81。−9の二乗も81。
じゃあ49の平方根は何?」
「そう!7と−7。49の平方根は7と−7です。
じゃあ64の平方根は?」
「そう!8と−8。
じゃあ4の平方根は?」
「正解!2と−2やね。
じゃあ1の平方根は?今までとおんなじやで。」
「正解!1と−1やね。よくできた!」
ポイントは2つです。
「説明は短く」「平方根とは何かを言葉でわからそうとはしない」です。
勉強が苦手な子はだいたい国語力が弱く、長々と言葉で説明されてもよく理解できません。
でも直接イメージできるように持っていくとわかるのです。
こうして平方根のイメージが出来上がったら次はルート( √ )の概念を教えていきます。
具体的にはこのように教えます。
「1の平方根は1とー1。
4の平方根は2とー2。
じゃあ2の平方根は?」
「実は1.41421356・・ でまだまだ続くねんけど。
(ここで電卓を取り出して 1.41421356を2乗する)
ほら1.9999999・・と限りなく2に近いやろ。
(ここで生徒は「ほんまや!」と驚き興味を示す)
それで1.41421356・・やと長いし不正確やから
2乗したら2になる数を
√2 て書くねん。
だから2の平方根は√2とー√2。」
「3の平方根は1.7320508・・。
(ここで電卓で2乗する)
2.9999999・・になるやろ。
やっぱり長いし不正確やから √3 て書くねん。
だから3の平方根は√3とー√3。」
「整数にならへんやつは全部 √ 使ったら平方根にできるねん。
便利やろ。
5の平方根は√5とー√5。
6の平方根は√6とー√6。
7の平方根は√7とー√7。
8の平方根は√8とー√8
9の平方根は整数があるから3とー3。」
ポイントは「電卓で1.99999999・・を見せて興味をひく」「1.41421356・・=√2のイメージを持たす」
どちらもいかにイメージできるようにできるかで生徒に「理解させられるか」が決まります。
理解できれば勉強に対する抵抗感がなくなり、その後の学習もスムーズになります。
人権講演会、教育講演会を行っています。
http://mbp-japan.com/hyogo/hasegawa/column/64075/