学校現場で子どもの自己肯定感を高める方法

長谷川満

長谷川満

テーマ:自己肯定感を高める

 今、学校現場で児童・生徒たちの自己肯定感を高めようとする様々な試みが行われています。
 「生徒同士がほめ合う活動」もその一つですが、それだけでは真に自己肯定感を高めることにはなりません。
 それではどのような活動が本当に子どもたちの自己肯定感を高めるのか、その本質から詳しく解説していきたいと思います。


 

自己肯定感とは何か


 自己肯定感とは「自分はそのままで愛され、喜ばれ、価値のある人間であるという自分自身に対する信頼感である」と私は定義しています。
 ポイントは「そのままで」にあります。
 ダメな所もある、情けない所もあるそのままの自分を許し、受け入れられている。これを自己受容と言い、自己肯定感はこの自己受容の心が根底にあります。

 自己肯定感とは強くなったり美しくなった自分を好きになることではありません。ダメな自分のまま、弱い自分のまま、自分を好きになることです。

 このままの自分で幸せになれる。
 「私でいい。私がいい。」
 そう思えることが自己肯定感です。
 
 

恥ずかしさを乗り越えて「そのままの自分」を表現する


 ありのままの子どもを肯定してあげることが自己肯定感を高めるということを理解しておいてください。
 子どもが「そのままの自分」を出した時、それを否定せずに受け入れ肯定する。
 それを何度も体験することで、子どもは「自分を出していいんだ。そのままの自分で受け入れてもらえるんだ。」と思うようになります。
 受け入れられ体験を積むことで子どもの自己肯定感は高められます。
 
 ですから、まずは子どもに「そのままの自分」を表現してもらうことが必要なのですが、「そのままの自分」を出すことは通常は恥ずかしいことであったり、怖いことであったりするのでなかなか出来ないことなのです。

 では「そのままの自分」を表現するとは具体的にはどうすることなのでしょう。

 

「そのままの自分」を表現するとは

 ・自分の正直な気持ちを素直に話す。
 ・人前で自分の作文や詩を朗読する。
 ・自作の歌や踊りを人前で披露する。
 ・人前で自分らしい表現(パフォーマンス)をする。

 つまり内面的感情を心を許した人に話す(自己開示)か、もしくは人前で表現すること。それが「そのままの自分」を表現することだと思ってください。

 

自分を出せるように勇気付ける

 通常、自分の内面的感情を話したり、自分の作文や詩を人前で朗読することは恥ずかしいものです。それはまた、認めてもらえない不安から怖いことでもあります。
 
 だからこそその人を勇気付けてあげる先生や先輩、仲間が必要なのです。

 その子が勇気を出して発表したなら、それをその場にいる全員で「よくやった」と受け止める。拍手する。うまく出来たかどうかは関係ありません。下手でいいのです。清水の舞台から飛び降りたその勇気をみんなで讃えるのです。そしてその表現に共感する。

 その時、その子は自分を出せた喜びとそれを受け止めてもらえた喜びを感じるのです。
 「この自分でいいんだ」
 そう感じるのです。

 これが子どもの自己肯定感を高める活動なのです。

 

まとめ

 
 「子どもの自己肯定感を高める」活動の流れとポイント

 ・自分を出す表現活動(作文、詩作、芸術活動、演劇等)を集団で行う。
 ・自分を出していい雰囲気を作る。
 ・自分を出すのをためらっている子がいれば励ます。勇気付ける。
 ・その子が思い切れるまで気長に待つ。無理強いしない。
 ・その子がその時その場で表現しなくても大丈夫だよと伝える。
 ・その子のタイミングを待つ。
 ・その子が表現したら、全員で「よかった」「よくやったね」と拍手する。
 ・その場にいる各人がその表現に対する共感や肯定的な感想をその子に伝える。





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長谷川満
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長谷川満(家庭教師)

家庭教師システム学院

発達障がいや不登校の子の意欲を引き出すには自己肯定感を高める必要があります。その子のありのままを受容し、信頼関係を築き、成功体験と褒め言葉で自信と意欲を引き出します。

長谷川満プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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