東大阪市立楠根中学校での教職員研修会「自己肯定感の高め方」

長谷川満

長谷川満

テーマ:教育・人権講演会

 2月3日(木)は東大阪市立楠根中学校で校区内三校合同の教職員研修会がありました。
 テーマは「自己肯定感の高め方」。
 約90名の先生方が参加してくださいました。



 先日、以前うちで家庭教師をしてくれて今は高校の先生をしているA君と小学校の先生をしているB君と3人で飲む機会がありました。

 A君は積極的でポジティブで自己肯定感も高いタイプ。
 B君はどちらかというと優しくて人に合わすタイプ。最近はよく落ち込むことがあり、自分でも自己肯定感は高くない方だと言います。
 そんな彼に僕はこんなふうに言いました。

 「自己肯定感が低いのなら『自分なんかダメだ』と思っている子どもの気持ちもわかるんじゃないの?」

 「それはよくわかります。自分もそんなふうに思うことがよくありますから。」

 「気持ちがわかるのなら、その子たちの心にも寄り添うことも出来るんじゃないの?」

 「はい。どんな言葉をかけてあげたらいいかとか、今はそっとしておいてあげようとか、何となくわかります。」

 「だったら君はそのままでいいよ。いくら前向きになろうとしてもどうしてもそうなれない時もある。そんな時に励ますんじゃなくて『わかるよ。僕も同じだよ』とその苦しい気持ちをわかってあげることがどれだけその子の救いになることか。子どもがそんなふうに苦しんでいる時に『大丈夫やで。先生もおんなじや』と言うてあげられたらその子を孤独から救えるんちゃうやろか。」

 そう言うと彼の顔がパーッと明るくなりました。

 自己肯定感というのは何かに成功した時に高まるものではありません。
 自己肯定感というのは失敗した時や挫折した時に「こんな自分なのに愛されている。受け入れてもらえる。」そう感じた時にこそ高まるものです。
 そしてそういう関わりが出来るのは自分も同じ苦しみを知っているからです。
 
 自己肯定感とは自信満々な心のことではなくて
 「ダメな自分、弱い自分も許し受け入れる。だからこそ人も許せるし、受け入れられる。
 そういう『自己受容』『他者受容』の心が根底にあるのだと思います。



 そのあと下の資料を使っていかにすれば自分の自己肯定感を高められるかを解説していきました。
 


 4、時には好き嫌いで物事を決めてみる

 自己肯定感の低い人は物事を決める際、「人がどう思うか」という他人軸で決めがちです。
 自己肯定感の高い人は「自分がどうしたいか」という自分軸で決断することが多いのです。
 
 他人軸とはわかりやすく言うと

 ・人がどう思うか
 ・人はどうしてるか
 ・どちらが正しいか
 ・どちらが損か得か

 という判断基準であり、これらは主に外部から情報がもたらされます。

 それに対して自分軸は、

 ・好きか嫌いか
 ・やりたいかやりたくないか
 ・どちらが楽しいか
 ・どちらが幸せか

 という自分の心に聞かなければわからないものであり、自分の内なる声に耳を傾けなければ決められません。

 自己肯定感が低い人はどうしても自分の判断に自信を持てないことが多く、人から見て自分の判断が正しいかどうかを主たる判断材料にしてしまっています。逆に自己肯定感が高い人は他人に意見を聞かなくても自分で決められるだけの自信があるのです。
 そこで自己肯定感を高めるためにはこの「自分で決める」習慣を持つ必要があります。
 「好きか嫌いか」で物事を決めるというのは、自分の心に聞いて自分で決めるということです。
 そうして何事も自分の心で決められるようになると自分らしく楽に生きられるようになり、気がつけば自己肯定感も自然に高くなっています。 


  
 8、人からほめられよう、認められようとしない

 他人の期待通りの人間になろうとするのは自己肯定感を高めようとする上ではマイナスです。
 それは「他者からの目」に重点を置いた他人軸思考だからです。 
 ふつう人間はありのままの自分である「現実自己」と、そうあるべき自分である「理想自己」の二つの自己を持っています。
  
 そして「理想自己」と「現実自己」の乖離が大きいと自己不一致の状態になり、精神的に不安定になります。

 大切なのは「理想自己」という幻想に振り回されることなく、ありのままの自分(現実自己)を受け入れることです。

 ダメな自分も情けない自分も否定しない。
 ありのままの自分を受け入れる。
 そうすると今まで葛藤に浪費されてきた心的エネルギーが前向きな意欲へと変わり積極的に生きることが出来るようになります。
 これが自己一致です。
 ありのままの自分で安心できている状態です。
 これが自己受容であり、自己肯定感です。
 
 
 みなさん熱心に聞いてくださいました。
 少しでも参考になれば幸いです。
 ありがとうございました。



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 2022年11月 和歌山県橋本市立清水小学校
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長谷川満(家庭教師)

家庭教師システム学院

発達障がいや不登校の子の意欲を引き出すには自己肯定感を高める必要があります。その子のありのままを受容し、信頼関係を築き、成功体験と褒め言葉で自信と意欲を引き出します。

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