岐阜県多治見市立滝呂小学校での講演会「思春期・反抗期の子どもとのつき合い方」
ゲーム依存は中高生男子にとってのアルアル?
「ゲームばかりして勉強しない」
「夜更かしするので朝起きられない」
中高生男子をお持ちのご家庭なら一度はそんなことでお悩みになられる時期があるのではないでしょうか。
「うちの子はゲーム依存症なのではないか」と本気で悩んでおられる親御様もおられますが、これは中高生男子の「あるある」であって特別なことではありません。女子高校生の1日のスマホ使用時間が平均5.5時間であるのと同様、よくあることなのです。
しかし、親としては大変困ります。
「テストの点数や順位がどんどん下がっている」
「学校の授業中も寝ているようだ」
「このままでは進級も進学も難しい」
そんな現状を目の当たりにして、慌てて家庭教師をと相談に来られる親御様もおられます。
そのような親御様の中には子どもさんに対して今まで支配的、管理的に接してこられたという方が少なからずおられます。
口うるさく注意するのではなく、親の支配的関わりを改める
つい先日もご夫婦で相談に来られた方もそうだったのでこのようにアドバイスしました。
「子どもさんも小学校まではお母さんに従っておられたかもしれませんが、
思春期に入られて、もう親に管理されたり命令されたくない。僕は僕の思うようにする。
と自我が目覚めてきたのではないでしょうか。
これは一見悪いことのように見えますが、人間の心理的な発達から見たら、
当然というか必要なことでもあるんですね。
ちょうどこの問題が発生したことでもありますし、
少し今までの親子関係を見直されて、
口うるさく注意するのではなく、
信じて見守る、子どもを信じて任せていく、という方向に変えられて見たらどうでしょう。
この問題は親が何かを言う。何かをすることによって解決することはできません。
この子自身が自分で気がついて、自分を変えていく。
早く気がついてもらうためには、本人に任せるのが一番です。
この子を変えることができるのはこの子だけです。」
でも奥様は「今の子どもの様子を見ていたら到底信じられない。任せられない。心配だ。」とおっしゃいます。
ご主人の方は私の言うことを理解してもらったようで覚悟を決めて「任せよう」と言う気持ちになられているようでした。
実はこの子どもの問題というのは、親の気づきが解決の第一歩となることが多くあります。
親が今までの自分のあり方や子どもへの接し方に対して反省し、そこを変えていくことによって子どもが変わる。問題が解決する方向に向かうということはよくあることなのですが、そこがどうも難しいのです。
なぜか?
自分にも問題があると「気づきたくない」からです。
気づきは家族内感染する!親が変わることで、子どもも自分を変えるようになる
気づいたら自分を変えなくてはならなくなるからです。そんなしんどいことしたくないのです。
親は自分を変えるという「しんどさ」を避けて、それを子どもにだけ求める。
それでは子どもだって納得いかないから変わりません。
そして気づきというのはどうも家族内感染するようで、親が自分の問題点に気づいて子どもへの接し方を変えることができるようになると、子どもも「親も覚悟を決めて自分を変えようとしている」ことに勇気をもらって、自分の問題に気づき、自分を変えるようになる。
これが「子どもの問題」の解き方の一つです。
これは人生全般に言えることです。
「他人を変えることはできないが、自分を変えることはできる。」
自分を変えることで結果的に他人も変わっている。
子どもを直接的に変えようとするよりも、まずは親自身が自分の物の見方、考え方、子どもへの接し方を変えていくことが問題を解決する最も近道であるように思います。
< リンク >
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