人権教育講演会「自信とやる気を引き出す『プラスの問いかけ』」加古川市立平岡北小学校

長谷川満

長谷川満

テーマ:教育・人権講演会

 昨日11月30日は加古川市立平岡北小学校で人権教育講演会がありました。
 約51名の保護者の方が参加してくださいました。
 毎年20〜30人のところ今年は2倍近くの方が足を運んでくださったそうです。
 テーマは「自信とやる気を引き出す『プラスの問いかけ』」。 





 まず最初に詩「しあわせになるれんしゅう」を紹介しました。





 「こそだてはまつれんしゅう」も難しいですが、「ふうふはゆるすれんしゅう」も難しいですね。

 よく夫婦長持ちの秘訣は「我慢」だと言われますが、この「我慢」という言葉は元は仏教用語で「自分を高く見て、相手を低く見る心。自己中心の慢心。」という意味なんですね。

 この「 慢 」という字は「おごり」という意味があるんです。

 自分が我慢しているというのは実はおごりなんです。
 相手側から見れば、相手が我慢しているんですね。

 「ゆるす」というのもそうで、自分が許そう、許そうと思っている間は本当には許せないものです。

 自分は許す側ではなくて、相手から許してもらっている側であった。
 そう気がついて申し訳なかった、とそういう気持ちになれた時、本当の意味で許すことができ、感謝できるようになります。

 申し訳なかったと謝るような謙虚な気持ちになれた時、感謝の気持ちが湧いてきて本当の意味で許せるようになるのだと思います。





 今日は「自信と意欲を引き出す『プラスの問いかけ』」というテーマでお話しするわけですが、
 
 プラスの問いかけは子どもの考える力や主体性、意欲、能力を引き出します。

    <子どもに対するプラスの問いかけ>

    ・ どうしたらいいと思う?
    ・ どうしたら出来るかな?
    ・ どうしたい?
    ・ どうして欲しい?
    ・ 何か手伝えることある?
    ・ それのいい所ってどこかな?
    ・ 違う見方できないかな?
    ・ 相手の立場に立ったらどう見える?
    ・ 何から始める?
    ・ どうしたら楽しく出来るかな?
    ・ 今すぐ出来ることって何かな?

 プラスの問いかけは子どもの考えや気持ちを聞こうとするもので、このように問いかけられると子どもは、自分は大切にされている、認められている、愛されていると感じます。このように感じるとき、子どもは自らの内に宿る『自己成長力』を発揮し、主体的・意欲的に物事に取り組んでいくようになります。

 普段子どもにかけている注意・命令・禁止・叱責の代わりに、プラスの問いかけをすることによって子どもとの関係が変わってきます。親子関係がより良好になります。そうして関係が変わってくると子どもが変わってくるのです。


 そのあと、次の資料を使って良好な親子関係の作り方についてお話ししました。


   < 自信と意欲を引き出す親子関係のつくり方 >
       ~ 自己肯定感を育てる関わり ~

     1、幸せを受け取る(子どもの存在を喜ぶ)

     2、そのままを愛する(変えようとしない)

     3、子どもの善さを見る(尊敬する)

     4、話を聴く(口を挟まず最後まで)

     5、気持ちを理解しようとする(押しつけない)

     6、信じて任す(管理者ではなく援助者になる)

     7、弱さや欠点を受け入れる(許し合う)


 2、そのままを愛する(変えようとしない)ではこのようにお話ししました。
 
 そのままを愛するとはやんちゃな子はやんちゃな子のまま、引っ込み思案な子は引っ込み思案な子のまま、そのままを愛するということです。

 それは子どもを変えようとしないということです。
 
 そのままを愛するとは結婚式の「愛の誓い」、あれですね。

 「健やかなる時も病める時も、富める時も貧しき時も、喜びの時も悲しみの時も、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命のある限り、真心を込めて尽くすことを誓いますか。」

 こうして永遠の愛を誓うわけですが「永遠の愛」てあるのでしょうか?

 あります!

 親が子どもに対して持つ愛は一生変わりません。
 だから親も子も子どもが生まれた時にこう誓ってみたらどうでしょう。

 「健やかなる時も病める時も、いい子の時も悪い子の時も、言うこと聞く時も言うこと聞かへん時も、この子を愛し、この子を敬い、この子を慰め、この子を助け、時期が来たら放してやり、その命のある限り真心を込めて育てることを誓いますか。」

 誓います。

 て言うて育てたらいいんじゃないでしょうか。

 その無条件の愛が子どもの意欲、向上心、生きる力を育てます。

 「欠点もある、ダメなところもある。でもそのままの自分で愛されている。」

 子どもが何の疑いもなく、そう思えること。
 それが子どもにとってどんなに嬉しく、どんなに幸せで、どんなに自信がつくことでしょう。

 自信とは究極的にはただ一つです。

 そのままの自分で愛されている。自分には愛される価値がある。

 それが自信の根幹にあるのです。

 「そのままのあなたが大好き」

 これは親が子どもに贈ることができるプレゼントの中で最高のプレゼントです。
 これこそが自己肯定感を育てるものです。

 



 そのようにお話ししました。

 
 講演の最後に、小田和正さんの曲「たしかなこと」にのせてお一人おひとりにそれぞれ違った詩をプレゼントしました。





 質疑応答の時間にこんな質問がありました。

 「子どもに問いかけて『〇〇目指して明日から頑張る!』というのですが、次の日になるとまた明日から頑張るって言って全然やらなくて、それが何日も続くと私も待ちきれなくて叱ってしまうんですが、どれくらい待てばいいですか?」

 「頑張るって事だけがいいことではなくて、頑張ろうと思うんだけどついついサボってしまういい加減さっていうのもまた大切で、そういう子はうつ病にはなりません。
 うつ病になるのは真面目で責任感が強い人がなるんですね。

 それと子どもを頑張らす方向に誘導したり、何か狙いがあってそっちの方向に持って行こうとして問いかけたらダメですよ。
 あなただって、友達からネットビジネスなんかに加入させようとして誘導されたりしたらいやでしょ。
 何か狙いがあってそっちの方向に誘導するような会話はよくありません。関係を悪くします。

 本当に子どもの考えや思いを聞こうとして問いかけて、その結果プラスの答えが返ってくるのはいいですが、ハナからあなたが正解を持っていて、そこにたどり着かそうとして子どもに問いかけたとしても、それは決してプラスの問いかけではありません。
 プラスの問いかけとはそういう狙いを持たず、純粋に子どものの思いや考えを尊重するために問いかけるものです。
 最後にいつまで待てばいいのか、とお尋ねですが、答えは「いつまでも」です。
 いつまでと期限が決まっているのは取引であり、契約です。
 それでは子どもを信じていることにはなりません。
 子どもが今はどんな姿を現していようと
 この子は素晴らしいと信じて
 いつまでも待つ。
 その信じる心が本当にその子を素晴らしくしていくんです。」
 そのようにお答えしました。

 
 最後になりましたが平岡北小学校PTA人権部の役員の皆様、今日の講演会のために本当にお世話になりました。
 おかげで講演会は大成功でした!
 校長先生にも大変お世話になりました。
 ありがとうございました。 
 


 


      < リンク >

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発達障がいや不登校の子の意欲を引き出すには自己肯定感を高める必要があります。その子のありのままを受容し、信頼関係を築き、成功体験と褒め言葉で自信と意欲を引き出します。

長谷川満プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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