愛知県一宮市での講演会「子どもの意欲を引き出す『プラスの問いかけ』」

長谷川満

長谷川満

テーマ:教育・人権講演会

 昨日は愛知県一宮市まで講演に行ってきました。
 聴いて下さるのは一宮市教職員組合の皆様です。
 タイトルは「子どもの意欲を引き出す『プラスの問いかけ』」。



 子どもの意欲を引き出す上で、子どもに問いかけ対話することは非常に有効です。
 そこでまず「問いかける」ことの目的と効用についてお話しました。

 1、信頼関係を作ることができる

 問いかけるということは「あなたの考えを聞かせて、気持ちを聞かせて」ということです。
 子どもの考えや気持ちを理解しようとして問いかけることによって、その子に対する愛情とその子を尊重する態度を示すことになります。
 「君はどう思うの?」「そっかー、そうやったんやなあ・・」「わかる、わかる」
 こういう姿勢で接してもらえると子どもはその先生を信頼するようになります。

 2、子ども自身に考えさせることによって主体性が育まれる。

 「どうして英語って勉強せなあかんの?」そんなふうに聞いてきた時は「どうしてだと思う?」と問い返してみて下さい。
 「え?海外旅行に行ったとき困るからかなあ・・」
 「そんなん英語話せんでも大丈夫やで」
 「じゃあ、将来仕事する時にいるからかなあ・・」
 「君は将来、何になりたいんやったっけ?」
 「スタントマン。ハリウッド映画でやるようなスタントマンになりたい。そうや!そのためには英語しゃべれなあかんわ、なあ、先生。」
 「ほんまやなあ。よし英語がんばろか」
 「はい!」

 3、自分で見つけた答えだからこそ行動が変わる

 上の例のように子ども自身が自分で見つけた答え「ハリウッド映画でやるようなスタントマンになるためには英語が必要」という答えは子ども自らが見つけたものだからこそ、その行動も変わる可能性が大きいのです。



 プラスの問いかけとは、「どうしたらいいと思う?」「どうしたい?」「どうしてほしい?」という子どもの考えや気持ちを聴くものであると同時に、「何から始める?」「どうしたら楽しく出来るかな?」「今すぐ出来ることって何かな?」という「未来への問いかけ」でもあります。うまくやるにはどうしたらいいか、という問いかけですから前向きで建設的なんですね。
 逆に「なんでしたの?」とか「誰が悪いの?」「何が原因なの?」とうまくいかなかった過去に対する問いかけは非建設的であり後ろ向きの問いかけです。
 また、「どうしたい?」「どうしてほしい?」「何か手伝えることある?」と、子どもの希望を聞いていこうとするところに義務感ではない「こうしたい」という意欲も生まれてきます。

 また、プラスの問いかけは「プラス思考の問いかけ」でもあります。
 意欲というものはマイナス思考からは生まれません。プラス思考から生まれます。
 思考(考えるという行為)は、自分が自分に問いかけ、それに自分で答えていくことで出来ています。
 たとえば、「今日の晩ご飯、何にしようかな?」と自分で問いかけ「キャベツと豚肉が残っていたからお好み焼きにしよ」と自分で答えていく行為こそが考えるという行為(思考)の本質です。
 ですから、思考の出発点は自らへの「問いかけ」です。
 その問いかけが前向きで建設的で気持ちが明るくなるようなものが多い人がプラス思考の人であり、その問いかけが後ろ向きで不安になったり暗くなったりするような問いかけが多い人がマイナス思考の人です。
 ですから子どもに問いかける場合でも「プラスの問いかけ」をするとプラス思考で考えられ、明るくて前向きな答えが出てきます。

 講演の後半では、自我(エゴ)といのちの心についてお話ししました。


 
 自我(エゴ)・・後天的に身につけた自分の考え、信念、処世術。
 いのちの心・・生まれつきもった「信じる心」「愛する心」「希望を持つ心」「喜ぶ心」「許す心」

 今、教育界では「生きる力」ということがよく言われます。
 実はこの「生きる力」とは「いのち」に支えられてあります。
 ですから、自分の心が「いのちの心」としっかりつながることによって「生きる力」、すなわち生き生きした意欲も引き出されるのだと思います。
 今日皆様にお示ししました「プラスの問いかけ」やプラスの関わりは、子どもの「いのちの心」に働きかけ、それを活性化させます。
 そして、そのように子どもに問いかけることによって、関わることによって実は私たち自身もまた自分の心の内にある「いのちの心」に働きかけ、自分の「いのち」を活性化し、私たち自身の自己実現を助けることになります。

 自己実現とは、自我が「いのち」の声を受け取って、自我が「いのち」と一体となって「いのちの願い」を実現することです。
 皆さん、「いのち」とは何でしょう?
 東北大震災で被災された直後、停電で真っ暗な中、小学校の保健室で午前3時頃、一つの「いのち」がこの世に生まれました。赤ん坊の「オギャー」という声が午前3時の真っ暗の校舎の中で響き渡ったとき、そこに居合わせた被災者全員が拍手したそうです。みんな津波で家を流され絶望の淵に沈んでいるはずなのに、その時はその子の誕生によって、あたたかい明るい空気に包まれたということです。
 その周りにいた人たちは悲惨な状況にあるにも関わらず、その時だけは皆喜びに包まれた。一瞬周りが明るくなったように感じた。
 「いのち」とは光です。
 人々を明るく照らす喜びの光です。
 子どもたち一人一人がそれぞれの光を持っています。
 子どもたちの中にはそれらキラキラと輝く光がいっぱい眠っております。
 それらは「プラスの問いかけ」によって初めて意識され、隠されていた光がキラキラと輝くようになります。
 そして、またその光は皆さんの中にもあって「プラスの問いかけ」を自分自身にもすることによって、自分に対して「どうしたい?」「何から始める?」「どうしたら楽しく出来るかな?」と問いかけることによって光り輝くようになるのだと思います。

 子どもたちや皆さんの中にあるまだ見ぬ光が見出されることを心より願っております。
 
 そう言って講演を終えました。

 最後にミスチルの「GIFT」の曲にのせてお一人お一人にそれぞれ違った詩をプレゼントしました。


 講演会に参加して下さった皆さん本当にありがとうございました。
 色々とお世話下さった役員の皆さん本当にありがとうございました。
 また皆さんにお会い出来る日を楽しみにしております。




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長谷川満
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長谷川満(家庭教師)

家庭教師システム学院

発達障がいや不登校の子の意欲を引き出すには自己肯定感を高める必要があります。その子のありのままを受容し、信頼関係を築き、成功体験と褒め言葉で自信と意欲を引き出します。

長谷川満プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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