手をつないでいられる間 〜「こどもの詩」より〜

長谷川満

長谷川満


  「 母の手 」  

  久しく母の手を握っていなかった

  スーパーの帰り道

  そっと母の手にふれてみた

  ぎゅっと握り返してくれた

  「赤ちゃんみたい」
  
  と笑われるかと思ったら

  「なつかしいなあ」

  と母はほほえんでくれた

              (千葉県 小学6年生女子)


 手をつなぐ、それは簡単なことのように見えて、とても特別なことなのかもしれません。
 子どもが小さい頃はあたり前のように「手をつなぐ」わけですが、子どもが中学生くらいになってしまうとそういうこともなくなってしまいます。


 この女の子は小学6年生、
 長い間お母さんと手をつないでいません
 もうお母さんと手をつなぐこともなくなるのかな・・
 そう思った途端、急に寂しく感じたのか
 ちょっと、恥ずかしげに、そっとお母さんの手に触れてみます
 「赤ちゃんみたい」と笑われるかも・・
 そんな不安な気持ちはぎゅっと握り返してくれた母の手の温もりが打ち消してくれます。
 「なつかしいなあ・・」
 お母さんはほほえんでそう言ってくれました

 ああ、よかった・・。お母さんも同じ気持ちだった
 こうして手をつなぐことからももうすぐ卒業だね、お母さん。
 でも、今はもうしばらくだけ、手をつないでいて
 あと、もうしばらくだけ・・


 そんな女の子の心の声が聞こえてくるようなとてもいい詩です。

 子どもが子どもでいてくれる間、それは特別、幸せな時間なのかもしれません。

   



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長谷川満
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長谷川満(家庭教師)

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