岐阜県多治見市立滝呂小学校での講演会「思春期・反抗期の子どもとのつき合い方」
母「航平、最高のメダルをありがとう。」
航平「銀メダルだけどね。」
母「ううん、私にとっては最高のメダル。だって、銀は、金より良いって書くでしょ。」
これは5年前、北京オリンピックで体操の内村航平選手が銀メダルを取ったあと、お母さんが内村選手にかけられた言葉です。
親には親にしか言えないあたたかい言葉というのがあります。
以前、「世界の果てまで行ってQ」のいもとさんが24時間テレビで100キロマラソンを走られることになった時、お母さんは強く強く反対されたそうです。他の人はそれをチャンスと考えていたけれども、いもとさんのお母さんは体のことを心配されて反対されていたそうです。
でも、きっといもとさんにはその言葉があたたかく響いたことでしょう。
そういう自分の身を一番に案じてくれる、そういうあたたかい優しい言葉があったからこそ、いもとさんも頑張れたのではないでしょうか。
ロンドンオリンピックで内村航平選手はみごと金メダルを取られました。
どうしても金メダルがほしかったのだとも伝え聞きます。
その理由の一つにはきっと、お母さんに「これが金メダルだよ」と見せてあげたいというのがあったのだと思います。
「ほら、お母さん、これが金メダルだよ。」
「航平、よくがんばったね。金メダルおめでとう。最高のメダルをありがとう。」
受賞したあと、きっとそんな会話が交わされたことでしょう。
母親にとっては、子どもが一生懸命やった結果なら、どんな結果であっても「よくやったね。えらかったね。」なのだと思います。どんな色のメダルであったとしても、そのメダルは最高のメダルです。
たとえ、銅メダルであったとしても内村選手のお母さんであればこう言われたでしょう。
「航平、最高のメダルをありがとう。だって、銅は金と同じって書くでしょ。」
親心から発せられるあたたかい言葉、それが子どもを勇気づけ、前に進める力となる。
そんな言葉をかけられる親でありたいと思います。
どんなときも。
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