親学10か条 その4、子どもを親の思い通りに育てようとしない

長谷川満

長谷川満

テーマ:親学10か条


 子どもを思い通りに育てようとしない、ということは子どもの内にある「いのち」(自己成長力)に敬意をはらい、信頼し任せていくということです。それは育てる親が主人公になって「どう育てるのか」ではなく、成長していく子どもの「いのち」の自己実現を助けていくということです。

 子どもの中に宿る「いのち」は、その本来の個性を実現しようという衝動を持っています。それは未だかつてこの世に表れたことのない「新しい善さ、新しい美しさ」をこの世に表すことです。その「新しい善さ、新しい美しさ」が何であるかは親にも子にもわかりません。その子が40歳、50歳以降になって始めてわかることも多いので、孔子さまは「五十にして天命を知る」とおっしゃいました。

 それはその時代その社会において高く評価され、もてはやされることもあれば、ひっそりと野辺に咲く花のように、静かに幸せに咲いていられることもあります。どちらが幸せとは言い切れませんが、その個性が花開き、「新しい善さ、新しい美しさ」が表れ、周りの人達に喜びや癒しをもたらすことは「いのち」の大いなる喜びであることは間違いありません。

 親の思い通りに育てようとすることは、上に述べたような可能性をつぶしかねません。

 例えば、ここに何の花の種かわからない種があったとして、それを親が勝手にバラの花をつけさせたいと考えても、たまたまバラの種だったらバラの花が咲きますが、朝顔の種やひまわりの種だったら、バラのように育てようとすれば枯れてしまうかもしれません。
 何の種かわからないのですから、とりあえず毎日適量のお水をあげて、やさしい言葉をかけて、日光にあたるようにして、見守るしかありません。どんな芽を出すか、楽しみに待つことです。そして芽がでたら、いっぱい誉めることです。そうすることで花も励まされ元気に育っていきます。
 花を本当に育てるのは、花自身に内在する「いのち」であり自己成長力です。それを励ましサポートすることはできますが、それはその花が自分の花を咲かせ、実を結ぶのを助けることでしかありません。
 
 子ども本来の花をつけられるように、見守り世話することが大切であり、子どもという花を使って親の自己実現に利用してはいけません。子どもの自己実現をたすけることが育てることの本質であり、子どもを「生かす」ことの本質です。

 華道家の川瀬敏郎さんは「生け花」について、

 花とはいのちの形であり、こころの言葉そのものであるから、心の扉を開く一輪の花を生けたいと思うなら「花にならう」心になることが大切。
 とおっしゃっています。

 花の心を聴くことができて本当に花を「生けられる」ように、子どもの心を聴くことが出来て、子どもを「生かす」子育てができるのだと思います。




 子どもさんの学習の悩み・家庭教師のご相談は
 http://www.hariat.co.jp/ksg/

 不登校でお悩みなら
 http://www.hariat.co.jp/ksg/futoukou.htm

 心が楽になる!親も子も幸せに成長していくヒントがいっぱい!
 ブログ「長谷川満の親学講座」
 http://hasegawa-mitsuru.seesaa.net/

 気づきがいっぱい!子育てコラム「あなたのままで100点満点」
 http://www.koushinococoro.com/magazine/kyouiku/hasegawa_100/



リンクをコピーしました

Mybestpro Members

長谷川満
専門家

長谷川満(家庭教師)

家庭教師システム学院

発達障がいや不登校の子の意欲を引き出すには自己肯定感を高める必要があります。その子のありのままを受容し、信頼関係を築き、成功体験と褒め言葉で自信と意欲を引き出します。

長谷川満プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

子どもの自信とやる気を引き出す教育のプロ

長谷川満プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼