親学10か条 その3、子どもを尊敬する
子どもを思い通りに育てようとしない、ということは子どもの内にある「いのち」(自己成長力)に敬意をはらい、信頼し任せていくということです。それは育てる親が主人公になって「どう育てるのか」ではなく、成長していく子どもの「いのち」の自己実現を助けていくということです。
子どもの中に宿る「いのち」は、その本来の個性を実現しようという衝動を持っています。それは未だかつてこの世に表れたことのない「新しい善さ、新しい美しさ」をこの世に表すことです。その「新しい善さ、新しい美しさ」が何であるかは親にも子にもわかりません。その子が40歳、50歳以降になって始めてわかることも多いので、孔子さまは「五十にして天命を知る」とおっしゃいました。
それはその時代その社会において高く評価され、もてはやされることもあれば、ひっそりと野辺に咲く花のように、静かに幸せに咲いていられることもあります。どちらが幸せとは言い切れませんが、その個性が花開き、「新しい善さ、新しい美しさ」が表れ、周りの人達に喜びや癒しをもたらすことは「いのち」の大いなる喜びであることは間違いありません。
親の思い通りに育てようとすることは、上に述べたような可能性をつぶしかねません。
例えば、ここに何の花の種かわからない種があったとして、それを親が勝手にバラの花をつけさせたいと考えても、たまたまバラの種だったらバラの花が咲きますが、朝顔の種やひまわりの種だったら、バラのように育てようとすれば枯れてしまうかもしれません。
何の種かわからないのですから、とりあえず毎日適量のお水をあげて、やさしい言葉をかけて、日光にあたるようにして、見守るしかありません。どんな芽を出すか、楽しみに待つことです。そして芽がでたら、いっぱい誉めることです。そうすることで花も励まされ元気に育っていきます。
花を本当に育てるのは、花自身に内在する「いのち」であり自己成長力です。それを励ましサポートすることはできますが、それはその花が自分の花を咲かせ、実を結ぶのを助けることでしかありません。
子ども本来の花をつけられるように、見守り世話することが大切であり、子どもという花を使って親の自己実現に利用してはいけません。子どもの自己実現をたすけることが育てることの本質であり、子どもを「生かす」ことの本質です。
華道家の川瀬敏郎さんは「生け花」について、
花とはいのちの形であり、こころの言葉そのものであるから、心の扉を開く一輪の花を生けたいと思うなら「花にならう」心になることが大切。
とおっしゃっています。
花の心を聴くことができて本当に花を「生けられる」ように、子どもの心を聴くことが出来て、子どもを「生かす」子育てができるのだと思います。
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