本当に良いお墓を提供するためには?(8)お墓の良し悪しを見分ける方法は石の素材以外にもあるのです
(1)安心できる中国産墓石
(2)正真正銘の国産墓石
(3)自社加工の墓石と産地加工の墓石
(4)関西で建てる国産墓石!国内加工と中国加工の値段の差
~上記のコラムからの続きです~
「天目取り(てんめとり)」って何のこと?
お墓は大地の自然から採掘された石を用いてつくられます。
採石丁場から切り出されたとてつもなく大きな原石を、
墓石の各部材にサイズに合わせ、小さく切断していくのですが、
墓石に使用する石は建築材と比べて値段が高いだけに、
出来るだけ材料にロスがないように切り分けたいものです。
しかし、石は自然の産物だけに中が全て同じではありません。
木材にも柾目と板目がある様に石にも石目があります。
これは、石や木に限らず、自然界の全てに当てはまることです。
マグロ1匹の中にはトロ、中トロ、赤身などがありますし、
牛でもロースやヘレ、モモ、ウデなど様々な部位に分かれます。
人間の皮膚も手の甲と手のひらでは大きく違います。
石も切り口によって、目に見える石目が異なります。
すなわち、キメの細かな部分も目の粗い部分もあるのです。
これらは、石の種類によって、その違いの差も様々なので、
石目合わせは熟練技を持つ石職人の腕の見せ所となるのです。
墓石加工をする際に、お墓を正面から見た時に美しく見えるよう、
石目が細かく綺麗な面が正面に来るように揃えて加工し、
目立ちにくい上部(天端)や底部分に石目の粗い面が来るよう、
上手く石目を合わせながら加工をしていく方法を、
業界の専門用語で「天目取り」とか「天目で取る」と言います。
この方法は、墓石が最も美しく見える石の取り方なのですが、
原石にロスが生じる上、高い技術力と手間も掛かるので、
中国加工はもちろんのこと、石材産地の加工工場でも
「天目取り」で墓石をつくる工場はそう多くはありません。
日本石材三大加工地の一つで有名な香川県の庵治・牟礼は、
200件ほどの加工工場が軒を連ねる一大加工産地ですが、
全ての工場が天目取りで墓石をつくっているわけではありません。
むしろ、天目取りをしない工場の方が多いかも知れません。
しかし、最高の出来栄えの国内加工を望まれるならば、
大島石の墓石も天山石の墓石もやはり天目取りでしょう。
特に天山石の場合は、切られた石の面ごとに目合いの違いが激しく、
天目取りで加工されていない墓石は各部材ごとに石目が異なり、
墓石の各部材ごとに異なる石を使ったかのように見えるのです。
中国加工の天山石墓石が特にこのように見える傾向にあります。
庵治石に至っては天目取りどころかもっと複雑です。
何しろ、採掘された全体の数%しか墓石として使えないため、
石目合わせ、色目合わせは当然こと、超高級品の庵治石になると、
庵治石特有のまだら模様である「斑(ふ)」の流れ具合まで、
各部材ごとに丁寧に合わせながら墓石に仕上げていくのです。
理にかなった加工法である「天目取り」
天目取りによる加工は、見た目の美しさだけではありません。
墓石に使用される、通称「みかげ石」と呼ばれる花崗岩(深成岩)は、
今から数千万年以上も前に、火山活動等による地殻変動により、
マグマが地中深くでゆっくりと冷えて固まり形成されたものなのです。
長い年月を経てマグマが冷えて固まり岩石となる過程において、
火山活動の影響で水蒸気を含んだ大気が上昇し大雨をもたらし、
地下水が流れる道である「水みち」と呼ばれる水の道ができます。
雨水は水みちを通り高いところから低いところへ流れていくので、
自然と上から下への縦方向の石目が形成されていき、
この縦方向の石目を石工職人たちは「天目」と読んでいたようです。
縦の石目に揃えて加工する「天目取り」でつくった墓石は、
水の抜けが良く、墓石を横方向の石目でつくった墓石は、
雨水の抜けが悪いため水シミが残り、見た目の悪さだけではなく、
しみ込んだ水が冬季の凍結による膨張で組織が破壊され、
石の風化を早める原因ともなり耐久性にも影響を及ぼします。
つまり、「天目取り」でつくった墓石は、見た目の美しさに加え、
耐久性にも優れた国産墓石の加工方法と言えるのです。
当社がご提供させて頂く大島石、天山石の墓石は、
国内の産地加工工場の中でも卓越した技術を誇る石職人達の手で、
全てを「天目取り」にておつくりさせて頂いております。
少々色目や石目が違って見えても構わないという方はともかく、
せっかく、国産の高級石材を選んでお墓を建てられるのなら、
見た目にも耐久性にも優れた「天目取り」の国産墓石をお薦め致します。
(参照サイト:http://mbp-japan.com/hyogo/daiichisekizai/column/33087/)
~つづく~
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