良いお墓が出来るかどうかの分かれ目(1)お墓は一般消費者には極めて分かりにくい商品である
(1)お墓は一般消費者には極めて分かりにくい商品である
(2)情報収集の手段は?
(3)お墓のポータルサイトとは?
(4)どんな墓地を選ぶかも重要?
(5)自社のことを悪く言う業者はいない!
(6)台湾の地震から考えるお墓の施工
(7)見積書の内容が同じであっても、同じお墓ではない。
(8)家から近い石材店を選ぶ理由には何があるのか?
〜上記のコラムからの続きです〜
多くの石材店が、自社の売り込みや他社との違いで訴求するのが、
「自社工場で加工!」「当社は自社施工だから安心!」という内容がです。
この手の内容は、石材店のチラシやホームページにもよく載っています。
では、はたして自社で加工・施工をしている石材店でお墓を買えば、
本当に満足できるお墓が出来ると断言できるのでしょうか?
ここで、ちょっと、自社加工と自社施工について説明をしておきます。
墓石の自社加工とは、お墓に使用する原石を仕入れ、自社の工場で加工する、
すなわち、墓石として出来上がった製品を仕入れるのではなく、
素材の石を自社工場で墓石に加工し、販売していることを意味します。
自社施工とは、加工(自社・他社を問わず)が終わった墓石の部材を、
墓地で組み立て作業をするための施工を外部委託(外注)せずに、
すべてを自社(自社が雇用した)の職人スタッフの手で行うという意味です。
自社施工については、今現在でも行っている石材店は多数ありますが、
自社加工は、今では少なくなり、ごく一部の石材店で行われている程度です。
その昔は、お墓づくりと言えば自社で加工というのがごく普通でしたが、
今は、その当時の製作機械だけが工場に残っているというのが大半です。
しかし、たとえ今は動いていない機械であっても、実際にあるのですから、
お客様が自社に来た時に「うちはここでお墓をつくっている!」なんて、
平気でウソ(と言うより営業トークかも?)をつく石材店もあると聞きます。
あげくの果てには、「中国から原石を輸入して自社で加工!」なんて…
もしそうなら、国産並みの値段になるはずなのに何故か安いのが不思議?
このように、やたらと「自社で加工」「自社で施工」を強調する業界なのです。
ゼネコンに大工さんや電気・設備工事の職人は居ません。
世界のトヨタですら、多くの部品は下請(好きな呼び方ではないが)と呼ばれる、
関連会社や協力会社の手でつくられ、一台のクルマが出来上がるのです。
自社加工で素晴らしい墓石をつくり上げる石材店も中にはありますが、
多くの場合は、やはり香川県の「庵治・牟礼」や愛知県の「岡崎」、
茨城県の「真壁」など、加工産地の製品の方が技術レベルは上でしょう。
自社施工に関しても同様、コストダウンと利益追求のために、
工事工程を減らし突貫工事を常としている石材店も実際あるのです。
自家製麺のラーメン屋が必ずしも美味しいとは限らないのです。
今の時代では、自社だけですべてを囲い込むのではなく、
色々な会社の得意分野を取り入れる必要があると思うのですが、
どうも、墓石業界においては少し捉え方が違うように思います。
自社加工や自社施工を否定するわけではありませんが、
それが絶対の様な表現方法で消費者を取り込むのは如何なものか。
良いお墓が出来るかどうかの分かれ目は、「自社加工」「自社施工」よりも、
石材店の店主の経営姿勢や、お墓へのこだわりが大きく影響するのです。
~つづく~
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