良いお墓が出来るかどうかの分かれ目(7)見積書の内容が同じであっても、同じお墓ではない。
(1)お墓は一般消費者には極めて分かりにくい商品である
〜上記のコラムからの続きです〜
一般消費者は、お墓を購入する前にどこから情報収集するのでしょうか?
以下に、主な情報収集媒体を列挙してみました。
①電話帳(タウンページ)
②新聞・雑誌広告
③ミニコミ誌、フリーペーパー
④DM、折り込みチラシ
⑤インターネット
⑦テレビ・ラジオCM
⑧親族・親戚、知人からの紹介
⑨石材店の営業マン
実際には、まだまだあるでしょうが、大まかにはこんなところかと思います。
ひと昔前までは、消費者がお墓の情報を収集する手段として活躍したのが、
なんと言っても、電話帳(NTTタウンページ)ではないでしょうか。
電話帳に大きく広告を出している石材店かどうかが、
会社の信用度を測るバロメーターにもなったくらいの広告媒体でした。
しかし、インターネットの普及後、電話帳を見る人が減ったため、
広告掲載する石材店も年々少なくなっているのが現状ですので、
情報収取の手段としては、少々時代遅れの感があります。
ちなみに、当社も今は電話帳への広告掲載は一切しておりません。
その他、新聞や雑誌、ミニコミ誌などの紙媒体の広告や、
折り込みチラシも経費が掛かるため以前と比べて減りつつあります。
ただ、新聞やチラシの広告は、年配の方たちには分かりやすく、
いつでも手元に置き、見ることができるという面もあります。
ラジオのCMはともかくとしても、テレビCM広告を出すとなると、
地方都市など放映料が比較的廉価なところは別として、
都市部でテレビCMを出せるのは大手石材店しか無理でしょう。
では、大手石材店で買えば満足できるお墓を建ててもらえるのか?
それは、テレビCMを出せるかどうかとは全く関係ありません。
「大手石材店なら絶対安心!」とは言い切れないからです。
それは、墓石業界だけに限らず、世の中のあらゆる業種に言えることです。
ここ数十年の間に住宅や家電製品など、あらゆるものが進化してきました。
お墓の構造や施工方法も変わってきて当然なのです。
お手入れのしやすさや、お参りする人の立場を考慮した設計はもちろんのこと、
阪神・淡路大震災や東日本大震災など地震での墓石倒壊の教訓のもと、
地震国日本という環境に適応した墓所の基礎工事や墓石免震施工など、
昔のお墓と見た目は同じでも、構造や工法は進化させていく必要があります。
しかし、それを行うには手間と経費が掛かります。
そして、一番は「そこまでしなくても、どうせ一般消費者には分からない」
という、売上・利益至上主義の現代社会の構造に問題があります。
実際、品質や構造、施工内容などは全く違っているお墓であっても、
一般消費者から見ると、見た目は大きく変わらないので分からないでしょう。
これは、何も墓石業界だけに限ったことではありません。
マンションの杭打ち偽装や免震ゴムのデータ改ざんで問題になっている建設業界、
賞味期限切れ食品の不正転売で話題になっている食品業界、
世界の有数の海外大手自動車メーカーまでが不正を行う時代です。
これらは、市場規模が大きいのと規定法律があるため問題になっていますが、
お墓の場合は、市場規模も小さく規定法律もないため話題にもなりません。
それゆえ、お墓の購入を考えている消費者自らが、
細部にわたり、さまざまな情報を入手することが良いお墓づくりの第一歩です。
それには、なんと言ってもインターネットでしょう。
情報量から見ても、インターネットに勝る媒体はありません。
親族・親戚や知人の紹介は、値段の交渉もしにくい上に、
その石材店が気に入らない場合も断りにくいのが難点です。
親族や親戚がお墓を建てた時期と今では時代が変わっています。
その石材店が時代の流れに応じたお墓づくりをしているかどうかも問題です。
石材店の営業マンから話を聞く場合も、一軒の石材店ではなく、
必ず複数の石材店から話を聞き、見積書や設計図を貰い、
価格面の比較だけではなく、あらゆる観点から総合的に判断することが大切です。
少々面倒な作業ですが、こうして面倒をした分だけ、
本当に満足できる良いお墓づくりに近づくことが出来るのです。
~つづく~
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