お墓は相続税の課税対象になるのか?③最終話:生前に墓地の購入契約を締結していた場合

能島孝志

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テーマ:お墓と法律

お墓は相続税の課税対象になるのか

~前のコラムからの続きです~

3.生前に墓地の購入契約を締結していた場合

では、被相続人が生前、墓地の購入契約をしていて、代金が未払いになっている場合、
その未払代金は、生前の被相続人の債務として、遺産から控除できるのでしょうか?

相続税法では、遺産から控除できる債務として、
「被相続人の債務で相続開始の際現に存ずるもの」をあげていて(相続税法13条1項1号)、
一見、墓地の購入ローンの債務もこれにあたるように思われます。

しかし、相続税法は、墓地などの非課税財産を
取得するための債務を被相続人が負担していた場合、
控除できる債務にならないことを、明文で定めています(相続税法13条3項)。

また相続税基本通達13-6でも、わざわざ「被相続人の生存中に墓碑を買い入れ、
その代金が未払いであるような場合には、法第13条第3項本文の規定により、
当該未払代金は債務として、控除しないのであるから留意する。」と規定しています。

これらの規定は、脱法的に墓地のローンを組み、
相続税を軽減することを、禁止したものといえるでしょう。

したがって、ご主人が、頭金として一部を支払っていた場合や
ローンを組んでいた場合であっても、葬式費用として遺産から、差し引くことはできません。


               
                ~おわり~



※参考文献:日本石材工業新聞 第1921号(日本石材工業新聞社発行)


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