お墓の文字彫刻の技法[前編]

能島孝志

能島孝志

くっきりと文字が浮かび上がった「縁彫り」彫刻
お墓の正面に彫刻する文字の彫り方も色々な方法がありますが、
オリジナルデザイン墓石の普及とともに目にする機会が増えてきた彫り方があります。

それは、文字の輪郭を深めに筋彫りし、
字面を浅くサンドブラストをかけたものです。

これまでにも、花などの彫刻ではしばしば見られたものでありますが、
お墓の文字といえば深めに彫るのが主流であったのが、
お墓のカタチが変わるとともに、
このような字彫りの技法が用いられるようになってきたようです。

この彫り方の名称については、
「枠彫り」「縁彫り」「淵彫り」「輪郭彫り」など、
呼び方もさまざまなようです。

この彫刻技法の利点としては、
先ずは汚れが付きにくいことが挙げられます。

一般的には墓石正面の文字は深く彫刻するため、
水や汚れがたまりやすくなります。

墓石の彫刻面が垂直に建てられる和型墓石はまだ良いとして、
やや角度を付けて建てられるオルガンタイプの洋型墓石や、
天を向いて設置されるプレートタイプの墓石などは顕著であります。

もう一つの利点としては、彫刻した文字にペイントを施さなくても
文字がくっきりと浮かび上がることが挙げられます。

サンドブラストやジェットバーナーで仕上げられた面は、
石の素材感を残しつつ白っぽくなるので、
本磨き仕上げの面とのコントラストが際立ちます。

ただし、ある程度濃さのある石(黒系・グレー系・緑系・茶系・赤系など)
の場合にはこの彫刻技法は有効ですが、
色の淡い白御影石や青御影石などの場合には効果が弱くなります。

洋型墓石やオリジナルデザイン墓石の普及により
このような新しい文字の彫り方が現れてきました。
墓石の形は文字の彫刻技法にも大きな影響を与えているのです。

※サンドブラストとは石の表面に高圧空気と共に高硬度の砂を吹き付け、
石を少しづつ削っていく工法です。

//////////////////つづく/////////////////

※日本石材工業新聞連載「これからの墓・字彫りの技法①:林ひろみ氏著」参照
※写真:21世紀のデザイン墓「美墓」(株式会社幻冬舎発行)より引用

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株式会社第一石材

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