お墓の形の移り変わり③大きな変革期となった明治時代

能島孝志

能島孝志

園内の桜並木/青山霊園
明治時代は、日本の近代化の扉を開き、
歴史的にみても大きな変革期であります。

また、お墓を取り巻く環境においても、
大きな変革期となっています。

ある意味で、今日のデザイン墓石へと
移行するうえでの胎動期ともいえるでしょう。

明治新政府は、旧来の幕藩体制を打破し、
中央集権国家をつくることが、
近代化の第一歩だと考えました。

そして藩を廃止し群県政へと移行し、
国家として精神的根幹をなすものとして、
神道による国づくりを目指すことになります。

このことから、旧幕時代に寺院の果たしてきた
寺請制度を通じた人別帳の制度を新政府が担うこととなり、
寺院と檀家の関係も揺らぎ、かつ国家神道という立場からも、
すべての墓所を寺院に任せることは、
宗教的な観点からも矛盾が生じることになります。

そこで新政府は寺院を離れ、
神道墓地を造る必要にせまられることになります。

そして明治5年、東京に青山霊園、
雑司ヶ谷墓地、染井墓地が造成され、
寺院に属さない神道のための墓地として開園させました。

//////////////////つづく/////////////////

※思いのこもる美しい墓(株式会社六月書房発行)参照

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