宗教豆知識『仏教』⑪浄土宗の教え

能島孝志

能島孝志


【浄土宗の教え】

浄土宗の本尊は阿弥陀仏で、経典としては
無量寿経、観無量寿経、阿弥陀経があり、
通常これらを浄土三部経と呼んで重んじています。

阿弥陀仏は数々の仏の中で、
平凡な人々をどのように救えるかを真剣に考えた仏です。

仏(如来)となるにあたって48の誓願をたてたとされていますが、
その18番目で、私の浄土への往生を願い、
心から念仏を唱える者を、必ず救済すると誓っています。

こうした阿弥陀仏に象徴されるように、
浄土宗の根本の定義は、
我欲にとらわれた凡夫であることを反省し、
口に「南無阿弥陀仏」と唱えれば、
誰でも仏の救いにあずかり、
現世で平和で心豊かな生活をおくれるばかりではなく、
未来も極楽浄土へ往生できるという教えです。

念仏を唱えれば、善人は善人として往生し、
悪人も悪人ながら往生するという平等救済の考えから、
我々はみな凡人であって、
凡人もみな浄土へ往生できると説かれているのです。

法然は80歳で往生する2日前、
一枚の紙に最後の教えをしたためました。

念仏の肝要な教えを記したその『一枚起請文』では、
ただ極楽浄土への往生を願い、
ひたすら念仏を唱えることの大切さが説かれています。

これを「専修念仏」といいますが、
そこで求められているのは、
信仰上の様々な心得や唱える念仏の回数ではなく、
阿弥陀仏の救いを求める切実な思いなのです。

こうした法然の教えは弟子たちに受け継がれるのですが、
親鸞の浄土真宗もそのひとつです。

霊園ガイド(六月書房発行)より

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