お墓はなぜ必要なのか?

能島孝志

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最近ではお墓は必要ないという考え方のもと、
散骨や樹木葬など、お骨を自然に帰し、
お墓を建てない人も出てきています。

しかし、実際に散骨をした人の中には
後でお骨を残しておけばよかった、
と後悔するケースも少なくないといわれます。

お墓には亡き人の生きた証を残すという側面と、
残された者が故人を偲ぶ「供養」という二つの側面があります。

散骨でお骨を自然に帰してしまうと、
この二つを実現することができません。

後になって後悔される人の多くがこの二つによること、
とりわけ、故人を偲ぶことが、形を伴って出来ないことが
心の痛みになっているといわれています。

つまり、「手を合わせる」という行為が
お骨が残っていないためにできないからです。

自分の家族の死を悼まない人はいません。
肉親の死を悼み、供養したいと思うのは
人間としての自然な感情でしょう。

そのときに手を合わせる存在となるのがお墓なのです。

また、自分の生きた証を残したいなどの理由から
生前に自分のお墓を建てる(寿陵・じゅりょう)人や、
死んでから子供たちに迷惑をかけたくないなどの理由から、
同様に生前にお墓を建てる人々も増えています。

さらに、自分自身の想いをカタチに現した
「デザイン墓石」を希望される人もいます。

死んだ後の自分の居場所を確保したいと考えるのもまた、
自然な情というものでしょう。

いずれにしても、お骨は残された遺族の方、
また子孫にとって必要なものです。

ご先祖を偲ぼうにもお墓がなければかないません。
自分一代のことだけでなく、
その先々の子孫や残された人々のことを考えれば、
やはりお墓は必要不可欠といえるのではないでしょうか。

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能島孝志
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能島孝志(1級お墓ディレクター)

株式会社第一石材

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