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熱中症で気をつけたい事?

佐藤浩明

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テーマ:医療環境

熱中症で気をつけたい事?

おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は’熱中症で気をつけたい事?’というお話です。

 2018年は、例年よりも早めに梅雨明けを迎える地域が目立ち、本格的な夏のシーズンが各地で長く続くと見られている。特に梅雨明けからお盆までの間は、熱中症が最も好発する時期とされる。医療従事者が熱中症を疑う患者の診察で気を付けるべき点は何か。東京都立多摩総合医療センターの清水敬樹先生が、解説する。(m3.com編集部まとめ)

 日本救急医学会がまとめた熱中症診療ガイドライン2015や重症度分類は、一般の人でも理解しやすい内容となっており、非医療従事者でも遭遇した場合はどのような対処をすればよいかが示してあります。重症度分類は応急処置と見守りが必要なI度、医療機関の受診が勧められるII度、入院加療が必要なIII度があります。このうちII度とIII度の判断、扱いについてよく質問されることがあります。

 例えば、III度に認められる条件の一つに意識障害があります。実はある程度会話ができる状態でも意識障害を来している可能性は十分にあるのです。ところが、熱中症でダウンした人がいて、周りの人が水を飲ませて落ち着いてから病院に連れて来たとします。この時に診察する側は、患者から「水を飲んだ」と説明を受けても、聞き流すのではなく、自力で飲んだのかそれとも誰かに飲ませてもらったのか、ちゃんと確認してほしい。実は意識障害のために自力で飲むことはできていなかった、という事実が潜んでいるかもしれません。意識の評価をしっかりと行うことが大切です。

 III度かもしれないと少しでも感じるのであれば直ぐに帰さずに様子を見て、意識障害など患者の様子がちょっとでもおかしいなと感じるのであれば、採血して診断できる医療機関に送るようにお願いしています。普段から熱中症患者を診ている私たちでも、採血検査の裏付けがないと分からないのです。

 夏に「体がだるい」と受診したものの、診断が付かなくて帰る人の中でも、実は熱中症で脱水などの症状を来していたということがあります。熱中症の本態の一つは脱水ですが、そもそも夏の時期に食中毒で下痢になり、脱水気味になったところで非労作性の熱中症を発症し、悪化させることもあるため注意が必要です。熱中症患者で気を付けたいのは、やはり脱水ですね。人は脱水症状になると脈が速くなって頻脈になるので、血圧が下がっていなくても頻脈を疑う場合は、脱水という判断も頭に入ってくると思います。このため、熱中症の好発時期は脈も重視した方がよいでしょう。

 よくこの時期になると少しだるいとか熱が出て熱中症かも?と言って来院される方がおられますが、基本的に熱中症の本態は高温環境下に晒された事による脱水ですからその点は理解している必要があるかも知れません。ただ、今シーズンの暑さは例年になく厳しいものになりそうですので十分な備えが必要になりそうです!

18.7.14 ツバメ

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佐藤浩明
専門家

佐藤浩明(内科医)

さとうクリニック内科・消化器科

患者さんに寄り添う医療体制で、「経鼻内視鏡検査」に取り組み、内科・消化器疾患の徹底した検査と治療を行います。信条の「人と、地域と向き合う医療」という姿勢を守り、より高い専門性をもって地域に貢献します。

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