30歳男性の1/3が糖尿病発症の可能性?
味噌汁や魚料理の摂取で糖尿病予防?
おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は‘味噌汁や魚料理の摂取で糖尿病予防?’という報告です。
日本人の食習慣の一部は、2型糖尿病の原因となるインスリン抵抗性と関連しており、魚料理や味噌汁、野菜を毎日食べ、夕食時の主食や卵料理、果物の摂取を控えている人ではインスリン抵抗性が低いことが、京都大学の研究グループの検討で分かった。日本では他国と比べて冠動脈疾患が少ないことが知られており、研究グループは食習慣の中でも味噌汁など日本独自の食文化が影響している可能性を指摘している。
冠動脈疾患リスクの一部には食生活の変化が影響すると考えられているが、過去60年間で日本の食習慣は欧米化が進むなど大きく変化しているにもかかわらず、冠動脈疾患は他国と比べて比較的少ないまま推移している。また、いくつかの食習慣は糖尿病の発症と関連することが報告されているが、その機序についてはよく分かっていない。
研究グループは今回、日本人における糖尿病の発症の有無や冠動脈疾患の少なさに日本独特の食習慣が寄与している可能性に着目。滋賀県長浜市の住民を対象としたデータを用いて、インスリン抵抗性およびインスリン分泌能と食習慣との関連を調べた。解析の結果、女性では、炭水化物が多く含まれる主食を夕食に毎日取るとインスリン抵抗性(インスリンの効きやすさ)が高まり、魚料理や味噌汁を毎日食べるとインスリン抵抗性が低いことが分かった。また、男性では、卵料理を週に4~5回、または果物を毎日食べるとインスリン抵抗性が高まり、野菜を毎日食べるとインスリン抵抗性が低下することが分かった。また、男性ではアルコールの摂取頻度が週に4回以上の人では、飲まない人と比べてインスリン抵抗性が有意に低く、インスリン分泌能にも低下がみられた。
以上の結果を踏まえて、研究グループは「食習慣の中でも魚料理や味噌汁、野菜を毎日摂取する人ではインスリン抵抗性が低く、夕食時の主食や卵料理、果物を多く摂取する人ではインスリン抵抗性が高いことが、糖尿病や冠動脈疾患の発症に関連している可能性が考えられる。特に味噌汁は日本人の食卓に欠かせない料理であり、日本の伝統食の健康へのベネフィットを再評価する必要もあるだろう」と述べている。
日本の食生活がかなり欧米化して来ているにも関わらず、冠動脈疾患があまり増えて来ないのは日本人特有の食生活に寄る所が大きいのかも知れません。やはり、日本人には日本食の様ですね!