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コラム
フレイルとサルコペニアについて!
2018年5月5日
フレイルとサルコペニアについて!
おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は’フレイルとサルコペニアについて!’というお話です。
日本消化器病学会の招請講演で肝疾患におけるサルコペニアとの関連を秋下雅弘先生(東京大学加齢医学教授)が講演を行なった。はじめに高齢者の亡くなる状態を概括、いわゆるピンピンコロリは1割程度であり、残りの高齢者は運動機能の低下により、寝たきりなどの介護状態で亡くなっていると述べ、その運動機能の低下にフレイルと(主に一次性)サルコペニアが関係していると指摘した。
フレイルは、「加齢に伴う予備能力低下のため、ストレスに対する回復力が低下した状態」を表し、要介護状態に至る前段階として位置付けられている。また、サルコペニアは「高齢期にみられる骨格筋量の低下と筋力もしくは身体機能(歩行速度など)の低下」と定義される。両病態はお互いに包含するものであり、とくに筋力と身体機能の低下は重複する。フレイルの診断は身体的フレイルの代表的な診断法と位置付けられている日本版CHS(J-CHS)基準が提唱され、体重減少、筋力低下、疲労感、歩行速度、身体活動の5項目のうち3つ以上の該当でフレイルと判定される。
治療に関しては両病態ともに、レジスタンス運動を追加した運動療法や、十分な栄養を摂る栄養療法が行われる。「タンパク質」の摂取を例に一部を概略的に示すと、慢性腎不全の患者では腎臓機能維持の都合上、タンパク質の摂取が制限されるが、その制限が過ぎるとサルコペニアに進んでしまう。そのため、透析に進展させない程度のタンパク質の摂取を許すなど、患者のリスクとベネフィットを比較、検討して決めることが重要という。
フレイルとサルコペニアという言葉はメタボほど浸透せず、イマイチその定義等も曖昧ですが、日本の様な超高齢化社会においては今後様々な問題となるものと考えられます。上述の様に筋力低下と運動機能の低下は重複するものと考えられ、日頃から筋力低下を引き起こさない様な運動療法が必須と考えられます。
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