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コラム
心臓老化物質の正体?
2018年4月10日
心臓老化物質の正体?
おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の砂糖です。今朝は‘心臓老化物質の正体?’というお話です。
20代の健康的な心臓は収縮と拡張を繰り返し大きく動く。しかし、加齢により心機能が低下するとその動きが鈍くなってしまい、全身に十分な血液が送れなくなる。これが「心臓の老化」でこれを放っておくと「心不全」と突然死につながる。心臓を老化させる2大原因として「高血圧」「高コレステロール」が常識だったが、近年新たな危険因子が注目されている。その要因とされる「心臓老化物質」を初めて発見したのが熊本大学医学部の尾池先生である。「心臓老化物質」は誰の身体の中にも存在する物質で過剰に分泌されると心臓の筋肉に悪影響を及ぼし、心臓のポンプ機能が低下させるという。尾池先生は日本人3千人を対象にした研究で「心臓老化物質」の増加で10年後心血管疾患になるリスクが2倍になる可能性があると判明した。
心臓の老化を進めるたんぱく質は「アンジオポエチンL2」。このたんぱく質は通常、心臓の細胞から分泌され、細胞の状態を維持する役割をもつ。しかし、増えすぎると心臓の筋肉に障害を与え、心機能を低下させる。このたんぱく質は体中にあり、血管で増加すると「動脈硬化」など悪影響を与える。さらにマウスによる研究で「がん」発生リスクも上げる事が判明している。
「アンジオポエチンL2」が増える理由について、一つは加齢によるもの。それ以外に大きな原因が研究で判明してきたという。
心臓老化たんぱく質が多い人と少ない人の違いは「MRI撮影」をすればわかるという。その違いは心臓にまとわりつく「脂肪」でこの量が多いと心臓老化たんぱく質が増加する。心臓に脂肪がたまる原因は「食習慣の乱れ」や「運動習慣がない」ことが主であるが、それ以外には「座る時間が長い」ことが原因とされている。2014年アメリカで発表された医学論文によると、運動の有無に関わらず、座る時間が長い人は心臓周囲脂肪が蓄積しやすいという。1時間に一度立ち上がる事で消費カロリーが増え、心臓周囲脂肪が減少する。さらに立ち上がったときにあることをすれば心臓老化たんぱく質をさらに減らせるという。
近年は老化に関しても様々な研究が行われてきており、今回のいわゆる心臓老化物質とされるものもその一つです。今までも言われてきた様に食生活に乱れや運動習慣のなさは老化の一番の原因ではありますが、座る時間が長いというのもかなり影響すそうです。特にデスクワークが長い方々は意識して1時間に一回でも伸びなどをすることも重要な様です。
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