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コラム
うつ病はメタボ・生活習慣と関連?
2018年3月30日
うつ病はメタボ・生活習慣と関連?
おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は‘うつ病はメタボ・生活習慣と関連?’という報告です。
国立精神・神経医療研究センター(NCNP)はうつ病と体格、メタボリック症候群、生活習慣が関連することを、1万1,876人の日本人が参加した大規模ウェブ調査で明らかにしたと発表した。うつ病は脳の病気と考えられているが、近年、食事や運動といった生活習慣や、肥満やメタボリック症候群などの生活習慣病がうつ病の発症リスクと関連することを示唆する報告が増えている。
そこで研究グループは、うつ病患者と対照者を含む1万1,876名の日本人を対象とした大規模ウェブ調査により、うつ病と体格、メタボリック症候群、生活習慣の関連について総合的に検討した。その結果、うつ病に罹患したと答えた人たち(うつ病群)とそうでない人たち(対照群)のうつスコアの平均はそれぞれ14.1点と9.8点で、うつ病群は対照群と比較して、ストレス症状が強いことを確認。
うつ病群では対照群と比較して、BMI30以上の肥満の割合が対照者と比べて有意に高く(危険率1.61倍)、正常体格(BMI 18.5~25未満)の人の割合は有意に低くなっていた(危険率0.76倍)。また、BMI 18.5未満の体重不足もうつ病群に多かったという。メタボリック症候群関連疾患のうち、脂質異常症の人の割合は、うつ病群は対照群と比べて有意に高く(危険率1.53倍)、糖尿病もうつ病群に有意に高い結果だった(危険率1.48倍)。
食生活習慣に関しては、うつ病患者では、間食・夜食の頻度が有意に高く、朝食の頻度が有意に低くなっていた。特に、朝食をほぼ毎日食べる人の割合はうつ病群で少なく、朝食を食べることがまれであると答えた人はうつ病群で多かった(ほぼ毎日vs.まれ:危険率0.65倍)。反対に、間食や夜食をまれにしか食べない人の割合はうつ病群で少なく、間食や夜食を食べることがほぼ毎日であると答えた人はうつ病群で多い結果だった(ほぼ毎日vs.まれ:危険率1.43倍)。また、運動では中等度(危険率0.82倍)から強度(危険率0.78倍)の頻度が有意に低くなっていた。
本結果などを考えると...現段階のうつ病治療は薬物療法が基本ではありますが、体格や生活習慣がうつ病発症に大きく影響していることを鑑み、生活習慣の改善などを検討することも重要かも知れません。
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