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コラム
インフルエンザ治療はどうすべきか?
2018年3月5日
インフルエンザ治療はどうすべきか?
おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は’インフルエンザ治療はどうすべきか?’と言うお話です。
インフルエンザは、日本ではいわゆる風邪と区別して、迅速診断が世界のどこよりも普及しているせいもありますが、診断がついてそれに対する薬がある以上、どうしても抗インフルエンザ薬を使うかどうかには色々な意見があると考えます。海外では、インフルエンザは”Flu”と表現し、重症化しなければ家庭で経過観察が一般的であり、風邪と同様の扱いです。一方で高齢者や幼児、基礎疾患をもつ患者さんに対しては、積極投与を考えてよいとも思います。抗インフルエンザ薬を投与するなら48時間以内の早期投与が基本です。
また、抗インフルエンザ薬の早期治療(発症2日以内)は、発熱や罹病期間を1日程度短縮するにすぎませんが、最近の研究では、タミフルの早期治療による入院防止効果(63%減少)、下気道感染の防止効果(44%減少)が証明されています。軽症者への早期投与によって、2009年のパンデミックで妊婦さんの死亡が日本で0や、圧倒的に世界と比べ死亡者数が少ない事実もあります。各医師によって、考えは様々ですが、医師自らが抗インフルエンザ薬の適正使用について考えていくことがよいと思います。
*山口禎夫先生(国立栃木医療センター)のMedPeerへのコメントを抜粋し、一部改変
今シーズンはインフルエンザB型が大流行したこともあり、かつてない位患者さんも多かったですが、それにも増してマスコミ等で‘隠れインフルエンザ?’なる用語も飛び出し、何か症状があると全てインフルエンザでは?と言って来院する患者さんも散見されました。本来、全世界的には上述の様にインフルエンザは重症化しない限りは自宅で経過観察する様な病気なのですが、日本では国民皆保険であり、医療機関へのアクセスも容易であるためにタミフルなどの抗インフルエンザ薬の使用は世界の7割程度のシェアを占めていると言う現状もあります。ただ、そのお陰もあり以前のインフルエンザの大流行時にも他国と比べて亡くなった方が少なかったのも事実の様です。今シーズンのインフルエンザはピークは過ぎた様ですが、当クリニックには連日数名のインフルエンザの患者さんが来院されますのでまだまだ油断は禁物の様です。
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