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佐藤浩明

消化器内科専門医で「内視鏡検査」のプロ

佐藤浩明(さとうひろあき) / 内科医

さとうクリニック内科・消化器科

コラム

尿酸値に影響を与える要素とは?

2018年2月7日

テーマ:医療マメ知識

コラムカテゴリ:医療・病院

尿酸値に影響を与える要素とは?

おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は‘尿酸値に影響を与える要素とは?’というお話です。

*尿酸値に影響を与える要素
 高尿酸血症といえば一般的には「プリン体の摂り過ぎ」といったイメージがありますが、実はそれ以外にもさまざまな要素の影響を受けているのをご存じでしょうか。その中から、いくつかを紹介します。

(1)体質:ポリネシア・ミクロネシア人などの南太平洋諸島の住民(いわゆる黒潮民族)は痛風にかかりやすい民族であり、その血を引き継ぐ日本人も欧米人などに比べると痛風にかかりやすい体質を持った民族といわれています。

(2)性別:一般的に女性よりも男性のほうが高尿酸血症になりやすいと考えられていますが、それは女性ホルモンが尿酸を体外に排出しやすくしているからです。よって閉経後に女性ホルモンの分泌量が減ると、尿酸値は上昇する傾向にあります。
女性は尿酸値が7.0mg/dL以下であっても、尿酸値の上昇とともに生活習慣病のリスクが高くなることから、男性よりも低い血清尿酸値から潜在する疾患の検査と生活指導が勧められています。

(3)変動性(日内、季節):尿酸値には日内変動や季節変動などがあり、尿酸値も明け方に高くなり、夕方には低くなることが知られています。
また冬よりも夏のほうが発汗によって体内の水分が失われることもあり、尿酸値が高くなる傾向にあります。夏場はとくに十分な水分補給を行うと良いでしょう。
監修:室原 豊明 先生
名古屋大学大学院医学系研究科 循環器内科学 教授

 とかくプリン体の過剰摂取のみに捉われがちな尿酸ではありますが、体質的なものや性別も大きく関係しますし、意外に変動しやすいものでもある様です。近年は食事の欧米化とも合間ってか、女性の痛風も増加傾向にある様ですので...女性に痛風はないという固定概念は訂正が必要な様です。

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