米国のインフルエンザ大流行はワクチンのせい?
おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は‘毎年のワクチン接種でインフルエンザの重症化予防?’という報告です。
毎年のワクチン接種でインフルエンザ重傷化予防?
毎年必ずインフルエンザワクチンを接種している高齢者は、インフルエンザの重症化による入院や死亡のリスクが低いとする研究結果が報告された。研究を実施したナバーラ大学の研究者らは「ワクチン接種によって完全に感染を防げるわけではないが、重症化しやすい高齢者も繰り返し接種すれば感染しても軽症で済むことが裏付けられた」としている。同氏らは今回、スペインの病院20施設でインフルエンザによって入院した65歳以上の高齢患者のうち一般入院患者598人と、集中治療室(ICU)での治療を要したか入院後30日以内に死亡した重症患者130人を分析した。
その結果、入院したシーズンおよびそれ以前の3シーズンの計4シーズンに連続してインフルエンザワクチンを接種していた患者では、接種していなかった患者と比べてインフルエンザの重症化が原因でICUでの治療が必要となるリスクが74%、死亡するリスクが70%低かった。一方、1シーズンのみの接種ではインフルエンザの重症化を予防する効果は認められなかった。この結果を踏まえ、同氏らは「高齢者でのインフルエンザの重症化の予防には毎年ワクチンを接種することが重要だ」との見解を示している。
米疾病対策センターによると、米国では毎年数十万人がインフルエンザのため入院しており、2010~2017年の年間死亡者数は1万2,000~5万6,000人と推定されている。高齢者は免疫系が弱いため、感染すると重症化しやすい。このため、入院が必要な状態となったり、合併症を発症したりすることが多く、死亡に至る場合もある。
米クリスティアナケア・ヘルスシステムの別の研究者は「最も重要なことは、今年のワクチンの効果がどの程度なのかは気にせず予防接種を受けることである」と強調。「米国では今シーズンのワクチンは流行中のインフルエンザウイルスの型に対して予防効果が低い可能性があると指摘されているため、ワクチン接種の意義を疑う人もいるかもしれないが、毎年欠かさず受けることで入院やICUでの治療が必要な状態になるリスクを抑えることができる」としている。
また同氏は今後の研究課題について触れ、「小児を含めたより若い集団でも毎年のワクチン接種によって同様の予防効果が得られるか否かを明らかにする必要がある」と話している。
インフルエンザワクチンには型が当たれば予防効果があることもありますが、今回の報告で再度、重症化予防の効果があることも実証された様です。今シーズンはワクチンの不足もあり、ワクチン未接種の方が多く見受けられますが、インフルエンザにお罹患した方の多くもワクチン未接種の様です。一度、インフルエンザに罹ったことのある方はその後にも罹る可能性は高いと考えられますので毎年ワクチンを接種した方が良さそうです!