非喫煙者の肺がんが増加?
電子タバコはアメトーークで使用拡大?
おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は‘電子タバコはアメトーークで使用拡大?’というお話です。
マスメディアは人々の行動に大きな影響を与える。非燃焼加熱式タバコ「IQOS」が人気娯楽番組「アメトーーク!」で取り上げられ、その人気に火がついたようである。大阪国際がんセンターの研究者らは、2つのデータソースを使用して、日本におけるIQOSを含む電子タバコへの関心度、使用率、2次的曝露による症状などについて研究した。
「アメトーーク!」放映がきっかけとなりIQOSが急速に普及
2016年4月28日、人気の娯楽テレビ番組「アメトーーク!」でIQOSを取り上げた回が放映された。
・IQOSのインターネット検索は、同番組放映週において、急峻な上昇を示し、最大値が記録された。その後は若干低下するものの、依然として高値を続けている。
・「アメトーーク!」視聴者は、非視聴者に比べIQOSの使用率が高かった。2017年における使用率は、番組視聴者の10.3%に対し非視聴者は2.7%であった。
・IQOSの使用率は、2015年1月~2月の0.3%、2016年1月~2月0.6%、番組放映後の2017年1月~2月には3.6%と、約10倍となった。
IQOS国内使用者は310万人、禁煙意志のある喫煙者が使用する傾向
・17~71歳の本邦の人口8,600万人のうち、IQOS使用者は310万人。
・ベースライン時に禁煙意志がある喫煙者は、禁煙意志のない喫煙者に比べ、IQOS使用率が高かった。2017年におけるIQOS使用率は、禁煙意志あり喫煙者18.8%に対し、禁煙意志なし喫煙者6.7%であった。
電子タバコのエアロゾル曝露による症状訴え37%
・エアロゾル曝露による何らかの症状(のどの痛み、目の痛み、気分不快など)の体験者は37%であった。ただし、症状は重篤ではなかった。
電子タバコ使用者への影響や、公衆衛生へのインパクトは十分にわかっていない。筆者らは、電子タバコの急速な全国普及の可能性を示唆し、電子タバコの監視を継続するとともに、規制方法を検討する必要がある、と述べている。
最近のネット社会においてマス・メディアの果たす役割は小さくなりつつあるとは言われていますが、でもまだまだその影響力には絶大なものがある様です。ただ、上述の様に公衆衛生上のインパクトはまだまだ未知数なところがある様ですが、エアロゾル曝露による症状の訴えが1/3以上に認められることなども考慮すると今後、新たな規制の枠組みを真剣に考える時が来ているのかも?知れません!