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身体活動増加で心血管疾患減少?
おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は‘身体活動増加で心血管疾患減少?’という報告です。
身体活動が主に娯楽目的である高所得国では身体活動に心血管疾患
(CVD)を防ぐ保護効果があるが、身体活動が主として娯楽目的ではな
い低所得国でも同様の内容が観察されるかどうかは不明である。今回、さまざまな運動量およびタイプの身体活動が、さまざまな経済水準での死亡率およびCVDの低さと関係しているかどうかを考察した。
この研究では、17カ国(カナダ、スウェーデン、アラブ首長国連邦、アルゼンチン、ブラジル、チリ etc)から被験者を募集した。各国内で、選択した都市や町の中およびその周辺にある都市部と農村部を特定し、地域の多様性を反映させるようにした。これらの地域社会内で、その後も最低4年間は現住所で暮らす意図のある35~70歳の人々を募集した。国際標準化身体活動質問票(IPQA)を用いて合計身体活動を評価した。平均6 9年間の追跡調査期間中の死亡率およびCVDを記録した。追跡調査中の主要臨床転帰は、死亡率、および総合罹患率または個別の罹患率での主要CVD(CVD死、心筋梗塞の発生、脳卒中、心不全)であった。死亡率およびCVDへの身体活動の効果について、世帯、地域社会などを考慮した上で社会経済的因子およびその他の危険因子で調整した。
その結果、低い身体活動(150分未満/週の中強度の身体活動)と比べ、中程度(150–750分/週)および高い身体活動(750分超/週)は、死亡率(危険率0.80倍、および0.65倍)および主要CVD(危険率0.86倍)の段階的低下と関係していた。より高い身体活動は、高所得国、中所得国、低所得国においてCVDおよび死亡率のリスクが低いことと関係していた。娯楽目的での身体活動も娯楽目的ではない身体活動も、メリットと関係していた。
娯楽目的での、または娯楽目的ではない高い身体活動は、低所得国、中所得国、高所得国で死亡率およびCVD事象のリスクが低いことと関係していた。身体活動の増加は、中年期の死亡およびCVDを減少できる、単純で幅広く適用できコストが低い世界的戦略である。
本研究は世界の超一流医学雑誌LANCETに掲載された論文であり、その信憑性は極めて高いと考えられます。このことより高い身体活動は娯楽目的であれ、死亡率の減少や心血管疾患の予防に確実に貢献するということが実証されたものと思われます!