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非喫煙者の肺がんが増加?
おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は‘非喫煙者の肺がんが増加?’という報告です。
2004年のSurgeon General報告書では、喫煙をしたことのない人の肺癌の割合は全肺癌患者集団の10%から15%になると推定されていた。
その数字を再評価するため、研究者らは米国の3施設からの多様な情報源から1990~2013年の間の肺癌登録データの分析を行った。全体で非小細胞癌患者10,593人と小細胞癌1,510人が評価された。
結果は次のとおりであった。
• 非小細胞がん患者で喫煙をしたことのない人の割合は1990~1995年
の8.0%から2011~2013年の14.9%に増加し、その増加は3つのすべての施設で同様であった。
• 非小細胞がん女性患者で喫煙をしたことのない人の割合は1990年か
ら2013年にかけて10.2%から22.1%に増加し、非小細胞がん男性患者で喫煙をしたことのない人の割合は同期間中に6.6%から8.9%に増加した。
• 小細胞がんまたは扁平上皮非小細胞がん患者で喫煙をしたことのな
い人の割合には、1990~1995年から2011~2013年で有意な変化はなかった。
著者らは、郡立の慈善病院でも喫煙をしたことのない非小細胞がん患者の増加が同様に認められたため、今回の結果は大学関連の医療機関に対する紹介バイアスは因子ではないと主張している。
この研究は、喫煙をしたことのない非小細胞腺癌の割合が米国で男女ともに増加していることを示唆しており、追加の研究でこの結果を検証し、疫学的病因、場合によっては分子学的病因を検討する必要性を示している。この結果が今後確認されれば、最大の懸念は喫煙をしたことのない人に非小細胞がんを引き起こす環境発癌物質が存在するということである。
今までも確かに喫煙者でないにも関わらず肺がんを発症している患者さんがそれなりに存在することは分かっていましたが、非喫煙者の肺がんの割合が増えているということは知りませんでした。最後にも述べられている様に喫煙だけではない、何らかの環境発がん物質の存在が考えられるということが一番の問題であり、逆にこの物質を同定することが今後の課題かも?知れません。