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佐藤浩明

消化器内科専門医で「内視鏡検査」のプロ

佐藤浩明(さとうひろあき) / 内科医

さとうクリニック内科・消化器科

コラム

糖質制限の有用性?

2017年8月21日

テーマ:糖尿病関連の報告

コラムカテゴリ:医療・病院

コラムキーワード: 糖尿病 食事糖尿病 症状糖尿病 予防

糖質制限の有用性?

おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は‘糖質制限の有用性?’という報告です。
 日本糖尿病学会は2013年の提言で、炭水化物のエネルギー比率として50~60%を推奨している。しかし、これまでに発表された研究報告などを踏まえ、糖尿病の専門家の間でも糖質制限に対して一定の理解を示す声が聞かれるようになってきた。
 「現在、食事の糖質割合を50%程度に抑えるように心掛けている」と、東京大学の門脇教授は語る。同氏は糖尿病研究者の立場での見解と前置きした上で、「糖尿病患者で糖質摂取量を総エネルギーの50%以下に抑えることは、血糖値の改善や減量などに有効な場合が少なくない」と、糖質制限を評価する。実際に、東京大学医学部附属病院では15年4月から、糖尿病患者向けの食事のラインナップに糖質割合が60%、55%、50%のものに加え、速やかに減量したい肥満の糖尿病患者向けに糖質40%の食事の提供を始めているという。
 ただし、「現状、40%を下回ることは推奨できない。脂質については、動脈硬化を進展させないように、動物性脂肪や飽和脂肪酸を避け、魚油やオリーブ油、植物油を取るように心掛けてほしい」と、門脇氏は付け加える。また、糖尿病患者が糖質制限する場合には、処方されている糖尿病治療薬の種類にも留意する必要がある。「インスリン製剤やSU薬、ナトリウムグルコース共輸送体(SGLT)2阻害薬を処方されている場合、低血糖やケトアシドーシスのリスクがあるため、主治医に相談しながら進めてほしい」と、門脇教授は訴える。
 少し前までは糖尿病学会も糖質制限には否定的でしたが、近年は少しずつ方向転換をして来ています。基本的には短期間であればダイエットも含めて糖質制限の有用性は論を待ちませんが、長期的になると色々な弊害が起きてくるのはおそらく間違いありませんので糖尿病患者さんに対しての糖質制限に対しては学会サイドとしては慎重にならざるを得なかったのは理解出来ます。
 結局、糖尿病に対してはある程度のカロリー制限は必要であるのは言う間でもありませんが、生活に必要な最小限のカロリーもある訳ですからあまり極端な糖質制限をするとその分を何で補うか?という問題になるわけです。それを質の悪い脂肪分で補うことになると心筋梗塞などの心血管系に問題を生じてしまう可能性も否定出来ませんのでそれが一番の問題であると考えられます。

17.8.20 あじさい

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