肥満の遺伝リスクが高いほど食事には注意?
2週間の活動低下で体は衰える?
おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は「2週間の活動低下で体は衰える?」という報告です。
わずか2週間、身体活動を控えて座りがちな生活を送るだけでも、健康な若者が筋肉を失い、内臓脂肪がつき始めるとの研究結果が報告された。結果的には心疾患や2型糖尿病のリスクが高まり、早期死亡に至る可能性があるという。研究を率いた英リバプール大学の研究者は、「本研究で注意すべき点は、被験者が健康なボランティアであったことだ。被験者は何らかの疾患を持っているわけではなく、過体重でも2型糖尿病リスクがあるわけでもなかった」と話す。
同氏らは健康なボランティア28人(平均年齢25歳)を対象として研究を行った。被験者は適正体重で、1日平均1万歩歩いていた。研究開始時、被験者は体脂肪量、筋肉量、ミトコンドリア機能、体力測定を含む健康診断を受けた。被験者には身体活動を追跡するアームバンドを装着させ、2週間にわたり身体活動を減らしてもらった。階段の代わりにエレベーターを使い、歩く代わりにバスを使い、普段よりも家にいた。1日の歩行量は80%以上減少し、約1,500歩となった。なお、同期間中に食事の変化がないことを確認するため、食事内容も記録してもらった。2週間後、被験者の除脂肪筋肉量は0.45kg近く減少し、体脂肪量が増加していた。体脂肪は特に腹部で増加する傾向があった。また、体力が急激に低下し、以前と同じ距離・速さで走れなくなった。ミトコンドリア機能(細胞がエネルギーを調節する能力の指標)も低下したが、この変化は統計的に有意でなかった。
同氏は、「幸いなことに、こうした不活発な生活習慣による悪影響は、再び活発な生活を送れば2週間以内に回復できるようであった。ただし、週2回ジムに行くのではなく、1日中立ったり歩いたりと活動的である必要がある」と述べている。
この報告でも分かる様にある程度短時間とも思える身体活動の低下が即、筋肉量の低下や内臓脂肪の増加に繋がる様です。ただ、落ちた筋肉は健康成人ならある程度戻るのでしょうが、高齢者や所謂メタボの方々ではなかなか戻りにくいかも知れません。これを考えるとまずは少しずつでも体を動かすように心がけることが大事な様ですね!
クリニックに飛来した第一陣のツバメ...ようやく雛が孵った様です!