フィンランドで認知症死亡が多いのは何故?
野菜・果物摂取で認知症予防?
おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は「野菜・果物摂取で認知症予防?」という報告です。
食生活の是正は、潜在的に認知症リスクを軽減する可能性があるが、果物の重要性や認知機能維持に必要な野菜や果物の量については不明である。中国・香港中文大学の研究者らは、世界保健機関(WHO)により推奨されている野菜や果物の1日の最低必要量が、認知症リスクを低下させる独立因子であるかを検討した。
本住民ベースの観察研究では、香港の高齢者保健センターに通院している中国人高齢者1万7,700例のベースラインの食生活を調査し、6年間、認知機能状態をフォローした。WHOの推奨に従い、最低摂取値を野菜3サービング/日、果物2サービング/日と定義した。6年後の認知症発症を最終評価とした。
主な結果は以下のとおり。
・本研究の分析では、年齢、性別、教育、主要慢性疾患、身体活動、喫煙で調整した後、ベースライン時の摂取における認知症推定危険率は以下のとおりであった。
・野菜を3サービング/日以上摂取した場合:0.88倍
・果物を2サービング/日以上摂取した場合:0.86倍
・野菜を3サービング/日以上かつ果物を2サービング/日以上摂取した場合:0.75倍
著者らは「高齢者は、毎日3サービング以上の野菜と2サービング以上の果物を摂取することで、認知症を予防できるかもしれない」としている。
近年では高齢者はメタボよりも筋力などが低下するいわゆるフレールという状態の方が余程問題があると言われて来ています。つまり、ある程度のお歳になると変にカロリー制限することはあまり重要ではなくなり、バランスの取れた食事を摂ることが大事になるわけです。そのため、ビタミンやミネラル分を多く含む野菜や果物をある程度以上摂ることが重要という事になるのだろうと思います。別の報告でも何度かお話していますが、言い古されてはいますが、自分の体を作る食事と運動には常に気をつける必要がありそうです!
我が家の庭の花々。今年もちゃんと成長してくれているようです!