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佐藤浩明

消化器内科専門医で「内視鏡検査」のプロ

佐藤浩明(さとうひろあき) / 内科医

さとうクリニック内科・消化器科

コラム

認知症予防に必要な事とは?

2017年8月4日

テーマ:認知症予防?

コラムカテゴリ:医療・病院

コラムキーワード: 認知症予防

認知症予防に必要な事とは?

おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は‘認知症予防に必要な事とは?’という報告です。
 認知症を発症するのは主に65歳超の高年期であるが、脳の変化はその数年前から始まっていることが多い。そこで、小児期(18歳未満)や中年期(45~65歳)のリスク因子にも目を向けて認知症予防に取り組む必要がある。小児期、中年期、高年期における9つの"修正可能な"リスク因子として、小児期では①教育期間の短さ(15歳超での教育が継続されず小学校が最終学歴)、中年期では②高血圧③肥満④難聴、高年期では⑤喫煙⑥抑うつ⑦運動不足⑧社会的孤立⑨糖尿病を挙げ、各リスク因子の認知症発症への影響をモデル化し、完全に排除できた場合に認知症症例全体の何パーセントの予防につながるかを推算した。
 各リスク因子については、小児期に15歳超での教育継続がなければ、認知の予備力が低下し、認知症リスク上昇につながると考えられている。難聴と認知症との関連についての研究は始まったばかりだが、複数の研究から、軽度難聴でも長期的な認知機能低下リスクにつながることが示されている。また、修正可能リスクとして取り上げられているものの、補聴器の有用性など未解明の問題は数多く残されている。これら9つのリスク因子全てを完全に排除できれば、認知症の35%を予防できる可能性が示された。
 リスク因子への介入が全ての認知症の発症遅延・予防につながるわけではないが、介入の効果を最大化するには社会の中にうまく取り入れて安全かつ効率的な介入を図る必要がある。米・University of Southern Californiaの研究者は「認知症発症予防を目的としたリスク因子への介入と並んで重要なのが、発症後の患者を受け入れ、その家族や介護者の支援する社会をつくり上げることだ」とコメントしている。
 流石にこれら9つ全てを実践する事は難しいかも?知れませんが、他の疾患でも当てはまることですが、運動や禁煙は今日からでも出来る事です。必ずしもこれらの事柄だけで認知症が発症しているという事になる訳でもないのでしょうが、以前から言われている様に若いうちから食事に気をつけ、運動を心がけ、昨日もお話した様に良質な睡眠に注意を払い、いわゆる生活習慣病を発症しない様に出来れば認知症にもなりにくくなる事は間違いなさそうです。

17.8.3 花々

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