福島県で市町村毎の健康寿命の調査実施へ!
湿布薬の枚数制限で医療費削減効果なし?
おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は「湿布薬の枚数制限で医療費削減効果なし?」という報告です。
2016年度診療報酬改定で導入された湿布薬の1処方当たり70枚制限について、外来患者に対する処方の影響を検証した結果、薬剤費総額に大きな差はみられず、医療費削減効果はほとんどなかったことが、信州大学病院薬剤部の調査で明らかになった。同院では改定後に71枚以上の処方箋割合は減少した一方、処方上限の70枚が処方されている処方箋が増加。不要な湿布薬への意識が高まる効果は見られたものの、薬価が低いこともあり、院内の外来で処方された湿布薬の薬剤費総額への影響は数万円程度と少なかった。
16年度改定では、医薬品の適正給付を目的に湿布薬の取り扱いが見直された。入院中以外の患者に1処方当たり70枚を超えて投薬した場合に薬剤料等が算定できず、70枚以上を処方する場合は、医師が理由を処方箋とレセプトに書くことになった。そこで、同院薬剤部は、16年度改定が外来患者における湿布薬処方にどのような影響を与えたか検証を行った。昨年1月から6月に同院で湿布薬が処方された外来処方箋を抽出し、その件数と湿布薬が70枚を超えた処方箋件数を集計。院内の外来で処方された湿布薬の薬剤費総額も算出した。
その結果、湿布薬の処方箋件数は改定後に増加したが、上限の70枚を超えた処方箋の割合は改定前の30%程度から改定後は4%程度に大きく減少。処方された湿布薬の総枚数も改定前から約2万枚減ったほか、処方箋1枚当たりの湿布薬枚数も減少したことが分かった。同院薬剤部は、「改定により不要な湿布薬を処方しない意識が高まったことが影響している」と分析した。ただ、湿布薬が71枚以上の処方箋の割合は減少したものの、薬剤費の総額については数万円程度の減少にとどまり、明らかな差は見られなかった。湿布薬の薬価が低いことに加え、改定前に71枚以上処方されていた患者の多くが上限の70枚の処方に変更となり、院内の外来で処方された湿布薬の総額への影響が少なかったことが考えられた。これらを踏まえると、16年度改定で医薬品の適正給付を目的に導入された湿布薬の1処方70枚制限は、薬剤費の総額にあまり影響を与えず、医療費の削減効果はほとんどなかったと見られる。
厚労省は医療費の1/3を占める薬剤費削減のために効果がきちんと担保されていないジェネリック医薬品への変更を半ば強制したり、前回の改定では湿布薬の枚数制限をしたりと小手先の変更で患者さんのためなどということは完全に無視して、無理矢理に総量制限を図る方策を打ち出しています。しかし、元々薬価もさほどは高くない湿布薬などの枚数制限をしても焼け石に水なのですが、そんなことも試算出来なかったのでしょうかね?
現在のそして近未来も続くであろう超高齢化社会に向けて増える一方の医療費増加対策には小手先だけの総量制限では限界で何か抜本的な対策を本来は優秀であるはずの官僚が考えないといずれは破綻してしまう可能性もあるであろうことは誰の目にも明らかだと思うのですが...
こちら郡山では福島よりも一足遅く、漸く桜が満開となりました!