歯の損失が認知症のリスク?
高齢者の認知症予防には歯が大事?
おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は「高齢者の認知症予防には歯が大事?」という報告です。
日本人高齢者における、認知症発症に対する歯を失うことの影響を明らかにするため、九州大学の研究者らは、以前から行っている久山町研究においての調査を行った。
認知症でない日本人成人(60歳以上)1,566例を対象に、5年間追跡調査を行った(2007~12年)。対象者をベースライン時の残存歯数により4群に分類した(20本以上、10~19本、1~9本、0本)。全ケースの認知症、アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症の発症に対する、歯を失うことによる影響の危険度の推定値を算出した。
主な結果は以下のとおり。
・調査期間中における全ケースの認知症発症は180例(11.5%)、アルツハイマー型認知症発症は127例(8.1%)、脳血管性認知症発症は42例(2.7%)であった。
・様々な因子で調整した後、残存歯数の減少に伴い、全ケースの認知症発症の危険度が増加する傾向が示された。
・全ケースの認知症は、20本以上群と比較し、10~19本群で1.62倍、1~9本群で1.81倍、0本群で1.63倍であった。
・残存歯数とアルツハイマー型認知症リスクには逆相関が観察されたが脳血管性認知症リスクでは認められなかった。
著者らは「日本人において、歯を失うことは、全ケースの認知症およびアルツハイマー型認知症リスクの増加と関連している」としている。
以前から歯の重要性は言われておりましたが、ここまで認知症とも関係しているというのは少し驚きです。やはり、歯がないことで噛むという行為が疎かになりがちになり、そういうことも関係しているのかも?知れません。さらに最近では歯周病と様々な疾患の関連も取り沙汰されていますので体の健康は言うまでもありませんが、歯の健康にも早い段階から気をつけることが認知症をはじめとした様々な疾患の予防になるものと考えられます!
ここ数日来の暖かさのせいで吾妻小富士や安達太良山の山頂の雪も漸く少なくなり、雪うさぎも顔を出してきました!