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医師間で医療費にバラツキ?
おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は「米国では医師間で医療費にバラツキ?」という報告です。
地域間あるいは施設間で医療費に差があることは知られているが、同じ施設に勤務していても、医師によって入院患者の治療にかかる医療費にばらつきがあることが、米国在住の研究者らによる研究から明らかになった。同研究では、医療費が高い医師と低い医師の間で患者の死亡リスクや再入院リスクに差はないことも示され、医療費が高い医師の治療を受けた患者の治療効果は必ずしも優れているわけではない可能性が示唆された。
これまで多くの研究で医師によって医療費にどの程度の違いがあるのかについては不明だった。また、同じ施設に勤務する医師の間で同一の治療にかかる医療費に差がある場合、医療費が高い医師の方が患者の治療効果が優れているのかどうかなど、医療費の違いが臨床的にどのような結果をもたらしているのかも明らかにされていなかったという。
そこで同氏らは今回、2011~14年に米国内の内科疾患で入院した3,195施設で一般内科医5万79人による治療を受けた65歳以上のメディケア受給者83万9,512例のデータを解析した。 まず、入院費用のばらつきを説明する要因について、施設、医師、患者の要因による寄与度を算出したところ、それぞれ6.2%、10.5%、83.3%と、施設間よりも医師間の医療費のばらつきの方が大きかった。次に、2011~12年に10例以上の入院患者の治療を担当した1万3,833人のデータを用いて、医師間の医療費の差と患者の30日死亡率および再入院率との関係について解析した結果、同じ施設に勤務する医師において医療費が100ドル増加するごとの調整後の危険率は30日死亡で1.00倍、再入院で1.00倍と、高い医療費をかける医師で患者の治療効果が優れているわけではないことが示された。
研究グループは、今回の研究では同じ施設に勤務していても医師によって医療費にばらつきが認められたことから、「施設だけでなく個々の医師の診療パターンにも照準を合わせた介入が必要ではないか」と指摘。また、「高額な医療費をかけている医師に対して医療資源を抑制したとしても、医療の質が低下することはない可能性がある」との見方を示している。さらに同氏は、自身のブログで「医療費の増加は米国だけでなく日本でも大きな問題だが、日本で同様の結果が得られるかどうかは現時点では不明であるため、今後の研究が必要」とした上で、「医療の質を落とすことなく医療費を抑制するためには、医師の診療パターンのばらつきについて理解し、それが医療費や患者の健康にどのような影響を与えるのかを評価する必要がある」と強調している。
米国においては医療システムも日本とは全然違うので一概に比較は出来ませんが、日本においてこの様な調査をした場合にどうなるかは興味深いところではあります。ただ、以前から言われてはいますが、日本は基本的に出来高制ですのである意味で不必要な医療をしても医療費が払われるシステムではありますので...まあ、そのためにそれをチェックするシステムも存在しているわけですし、ブラックリストに載るような医療機関にはそれをチェックする厳しい目が向けられているのも事実ですが(笑)我々も今までこの様な視点から医療行為をみていたことはないかも?知れませんので考えてみる余地はありそうです。
昨日はその前の日とは一転して雪模様となり、クリニック周辺も一面の銀世界に逆戻りでした。