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佐藤浩明

消化器内科専門医で「内視鏡検査」のプロ

佐藤浩明(さとうひろあき) / 内科医

さとうクリニック内科・消化器科

コラム

胴長は循環器・呼吸器疾患死亡が少ない?

2017年3月15日

テーマ:医療界の新発見?

コラムカテゴリ:医療・病院

胴長は循環器・呼吸器疾患死亡が少ない?

おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は「胴長は循環器・呼吸器疾患死亡が少ない?」という報告です。
成人の身長および座高は、遺伝的・環境的要因を反映しうる。以前の研究で、身長とがんや循環器疾患の死亡率との関連は報告されているが、座高と死亡率との関連の報告は少ない。今回、欧州における40万人以上の大規模コホート研究で、身長はがん死亡率と正相関する一方、循環器疾患死亡率とは逆相関を示し、また座高は循環器疾患死亡率および呼吸器疾患死亡率と逆相関を示した。
 計40万9,748人の前向き研究であるヨーロッパのEuropean Prospective Investigation into Cancer and Nutrition(EPIC)スタディにおいて、成人の身長・座高と全死因および疾患別死亡率との関連が調査された。身長はほとんどの参加者で測定され、座高は約25万3,000人で測定された。身長または座高の最低五分位に対する最高五分位の危険率を計算した。
 主な結果は以下のとおり。
・平均追跡期間12.5年の間に2万9,810人が死亡した(がん 1万1,931人、循環器疾患 7,346人)。
・身長は、がん死亡率と正相関を示し(男性の危険率1.11倍、女性の危険率:1.17倍)、循環器疾患死亡率とは逆相関を示した(男性の危険率:0.63倍、女性の危険率:0.81倍)。
・座高は、がん死亡率とは関連していなかったが、循環器疾患死亡率(男性の危険率:0.64倍、女性の危険率:0.60倍)および呼吸器疾患死亡率(男性の危険率:0.45倍、女性の危険率:0.60倍)とは逆相関していた。
 日本ではつい先頃、学校での座高測定に意味がないということで中止になったと報道されていましたが、この報告を見る限りでは胴長にも意味はありそうです。ただ、考えてみれば特に足長の欧米人で座高が高いということはそれだけ内臓が入るスペースが大きいということでしょうからある意味で当然と言えば当然かも?知れません。昔、学校での座高測定で身長はさほどでもないのに座高だけは高かった記憶のある私としてはとても嬉しい報告です(笑)
       
17.3.14 きくち
 昨晩は長男の合格前祝いをかねて外食でした!

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