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糖尿病患者では心の負担への配慮も重要?
おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は「糖尿病患者では心の負担への配慮も重要?」という報告です。
糖尿病患者は、つねに自身の健康状態や生活習慣に配慮せねばならず、また、治療に関する決断を即座に下さなければならないことも多く、これらはすべて心の負担につながりやすい。こうした糖尿病患者が抱える心の負担は「糖尿病による苦痛」と呼ばれており、とくにインスリンを使用する患者で多くみられ、うつ病とは異なるものだと専門家は指摘している。「糖尿病になった日は、まさに天からフルタイムの仕事を与えられたようなもの。これは特別な仕事であり、残りの人生に大きな影響を与え、しかも給与も休暇もない」と、米糖尿病行動研究所長は述べている。
米国糖尿病協会(ADA)の研究者は、「糖尿病患者は、糖尿病によって余計な心の負担を負わなければならない。仕事や家庭、金銭面に気を配りつつ、血糖値をチェックし、忘れずに服薬し、インスリン量を調整し、また、食事では炭水化物に気をつけなければならない。分刻みの義務を毎日果たしながら、すべてを正しく行ってもなお血糖値は上がり続ける」と説明している。さらに同研究所長は、糖尿病患者が抱える心的負担は、つねに疾患を管理せねばならない負担からくる一連の精神的な応答だと説明しており、「やるべきことの多さと糖尿病への不安に圧倒されて、患者は糖尿病に直面すると無力さを感じてしまう。努力しているにもかかわらず、使用するインスリン量は増減し、自分の力が及ばないことに思えてくるためQOLにも悪影響が出る」と述べている。また、同氏によると糖尿病患者の約3割は、どこかの時点でこの心的負担による影響を受けており、うつ病の発症につながるケースも多いとしている。
ADAも2017年版糖尿病治療ガイドラインの中で糖尿病患者の心的負担や精神面でのケアの重要性について触れ、すべての糖尿病患者で心的ストレスをスクリーニングし、ケアするよう推奨している。糖尿病による心的負担はうつ病よりも治療に大きな影響を及ぼし、抗うつ薬による改善効果は期待できないという。また、医師と相談して治療法を見直して変更を加えたり、糖尿病教育の専門家に相談して基本的な事項を再確認することも解決策の1つになり、両氏ともに周囲のサポートも重要であり、親や配偶者が糖尿病の管理を手伝うことで、少しは患者の気が休まると述べている。ADAの研究者は、食欲の低下や睡眠パターンの変化、趣味などの自分が好きだったことへの興味を失う、気分の落ち込みが長く続いたら、メンタルヘルスの専門家に相談するようアドバイスしている。
確かに最初に糖尿病と診断された患者さんが相当のショックを受けるのは日々感じています。当クリニックでは幸いインスリン投与をするまでの患者さんはあまりいませんので上述程の負担を感じることはないかも?知れませんが、定期的な糖尿病の検査結果に対して一喜一憂している姿はよくみられます。でも、検査結果は意外と正直ですので...糖尿病のコントロールが悪くなっている際には大抵何らかの理由が存在することが多いですから、それを患者さんにきちんと認識して頂くことがもっとも重要なのではないかと考えながら日々の診療を行っています。
我が家の庭の梅。少しずつではありますが、つぼみも膨らんできたようです。