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タバコによる肺疾患が運動で予防可能?

佐藤浩明

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テーマ:運動の効用

タバコによる肺疾患が運動で予防可能?

おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は「タバコによる肺疾患が運動で予防可能?」という報告です。
主に喫煙が原因で肺機能が低下し呼吸が困難になる慢性閉塞性肺疾患(COPD)が、運動をすると分泌されるホルモンの働きで予防できることが分かったと大阪市立大の研究チームが発表した。運動を取り入れた予防法やこのホルモンを利用した治療薬開発につながる可能性があるという。
同研究によると、COPDはたばこの煙によって、酸素を取り込むなどする肺胞の破壊や、気道の炎症が生じ、息切れやせきが起こる。世界的には、がんや心疾患などに次ぐ死因の4位で、国内の推定患者数は500万人以上とされる。同研究では、運動によって骨格筋から分泌されるホルモン「アイリシン」に着目。COPD患者40人(平均73歳)の血中アイリシン濃度や肺の状態を調べ、濃度が高いほど肺胞の破壊が少ないことを突き止めた。
さらに、人の肺胞上皮細胞を使った体外の実験で、アイリシンを加えると、酸化を防ぐタンパク質が増加し、たばこの煙に含まれる酸化力の強い物質による細胞死が抑えられることも判明した。同研究者は「COPDは息切れのため運動不足になりがちだが、体を動かせば悪化を防げる可能性が示された。さらに研究を進め臨床応用につなげたい」と話した。
 最近、色々な形で注目されている運動ですが、タバコによる肺への影響が今回の研究で判明したようです。ここで取り上げられている骨格筋から分泌されるアイリシンですが、最近発見され、骨格筋が最大のホルモン分泌臓器とされる所以ともなった物質です。まあ、タバコを吸いながら運動するよりも最初から吸わないのが一番ですし、吸ってしまった方は禁煙するのがベストであるのは言うまでもありませんが、運動する事で幾らかでもその進行を弱めることが出来るというのは朗報かも知れません。昨今では受動喫煙の問題もかなり取り沙汰され、2020年の東京オリンピックに向けて飲食店でも店内での喫煙が制限されそうな雰囲気ですが、やはり歩きタバコ等の迷惑行為なども含め、吸わない人達への配慮の徹底を願いたいものです!
      
17.3.6 安達太良山
 昨朝の高速道路安達太良SAからの安達太良山。暫くぶりに山頂も綺麗に見えました!

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佐藤浩明
専門家

佐藤浩明(内科医)

さとうクリニック内科・消化器科

患者さんに寄り添う医療体制で、「経鼻内視鏡検査」に取り組み、内科・消化器疾患の徹底した検査と治療を行います。信条の「人と、地域と向き合う医療」という姿勢を守り、より高い専門性をもって地域に貢献します。

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