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佐藤浩明

消化器内科専門医で「内視鏡検査」のプロ

佐藤浩明(さとうひろあき) / 内科医

さとうクリニック内科・消化器科

コラム

高脂肪食で肝機能に混乱?

2017年2月18日

テーマ:メタボの原因?

コラムカテゴリ:医療・病院

コラムキーワード: 糖尿病 食事糖尿病 症状糖尿病 予防

高脂肪食で肝機能に混乱?

おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は「高脂肪食で肝機能に混乱?」という報告です。
チーズバーガーとフライドポテト、ピザといった高脂肪の食事を食べると、肝機能に混乱が生じることが新たな小規模研究で明らかにされた。飽和脂肪を多量に摂取すると、すぐに肝臓の働きが変化し、後の重篤な疾患につながる可能性があるという。
 研究著者の1人であるハインリッヒ・ハイネ大学の研究者によると、その影響は重症の代謝疾患患者にみられる異常によく似たものであるという。「この知見は、肥満や2型糖尿病の患者において脂肪性肝疾患や肝硬変をもたらす初期の肝代謝の変化を明らかにした」と同氏は述べている。ただし、高脂肪の食事をした後、このような代謝の変化がどのくらい持続するのかは明らかでない。
 肝臓は脂肪や炭水化物の処理において重要な役割を担っており、高脂肪の食品を過剰に食べ続けると、脂肪が蓄積され非アルコール性脂肪肝を引き起こすことがある。この疾患は肥満の蔓延とともに急増しており、米国では25%もの人が罹患していると考えられている。同誌の付随論説を執筆したフィンランド、ヘルシンキ大学の別の研究者は、「バター、チーズ、ココナッツオイルなどに含まれる飽和脂肪は、肝臓にとっては最悪の食べ物である」と述べている。今回の研究では、痩せ型の健康な若い男性14人を、プラセボ群とパーム油摂取群に割り付けた。パーム油の量は被験者の体重により異なるが、ペパロニピザ8切れまたはチーズバーガーとLサイズのポテトに相当する飽和脂肪を摂取させた。その結果、脂肪摂取群は肝臓のブドウ糖産生量が70%増大したほか、肝細胞の働きが激しくなり、さらに肝臓のブドウ糖貯蔵能が低下した。健康な人ならその影響を容易に克服できるが、高脂肪食を繰り返し食べている人はそうでない可能性があると、同氏は付け加えている。別の研究者によると、肝硬変になってしまうと治すことは難しいが、食事内容を改善し、オリーブ油などの健康的な油脂を摂取することにより、肝臓の健康状態を向上させることは可能だという。研究グループはマウスを用いて同様の分析を実施しており、脂肪が遺伝子の働きに及ぼす影響について洞察が得られたと述べている。
今回の報告は実に驚くべき結果を報告しているよう感じます。高カロリー食が体に悪いことは誰でも知っていますが、体中で最大の代謝臓器である肝臓が高脂肪食で下手をすると変調を来すかも知れないということをこの報告は暗示しています。沈黙の臓器ともいわれる肝臓ではありますが、一度変調を来せば元に戻すことは困難ですので...心してかかる必要があるかも?知れませんね!
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