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佐藤浩明

消化器内科専門医で「内視鏡検査」のプロ

佐藤浩明(さとうひろあき) / 内科医

さとうクリニック内科・消化器科

コラム

緑葉野菜摂取でメタボ予防?

2017年5月6日

テーマ:メタボの原因?

コラムカテゴリ:医療・病院

おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は「緑葉野菜摂取でメタボ予防?」という報告です。
長期にわたって食事からの硝酸塩や亜硝酸塩の摂取量が不足すると、たとえカロリーを摂り過ぎていなくてもメタボリック症候群のほか、内皮機能障害や心臓突然死をもたらす可能性があることを、琉球大学大学院の研究グループがマウスを用いた実験で突き止めた。硝酸塩はレタスやホウレンソウといった緑葉野菜に多く含まれていることから、「これらの疾患を予防するには野菜の摂取が推奨される」と同氏らは述べている。
研究グループは、食事中の硝酸塩や亜硝酸塩の不足がメタボリック症候群を引き起こすとの仮説を立て、マウスを用いた研究で検証した。6週齢のオスマウスを、1週間から22カ月にわたって通常の飼料を摂取させる群と通常飼料と摂取カロリーは同じだが硝酸塩と亜硝酸塩を含まない飼料を摂取させる群に分けて、代謝指標への影響を比較検討した。
 その結果、硝酸塩と亜硝酸塩を含まない飼料を3カ月間摂取させたマウスでは、内臓脂肪の蓄積や脂質異常症、耐糖能異常が生じ、18カ月間摂取させると体重増加や高血圧、インスリン抵抗性(インスリンの効きにくい状態)、内皮機能不全が引き起こされることが分かった。また、こうした飼料を22カ月間にわたって摂取させたマウスでは突然死が認められ、死因の約80%は急性心筋梗塞を含む心臓病であったことも明らかにされた。なお、研究期間を通して飼料の摂取量には両群間で差はみられなかった。また、研究グループの検討によると、これらの疾患や異常の発生は内皮型一酸化窒素(NO)合成酵素の発現低下やアディポネクチンの低下のほか、腸内細菌叢の異常とも有意に関連していた。
 研究グループはこの知見をヒトに当てはめると、「10歳代で野菜を食べなかった人では内皮型NO合成酵素の発現低下や腸内細菌叢に異常がもたらされ、20歳代ではメタボリック症候群を、40歳代では肥満や高血圧を発症し、50歳代になると心臓突然死リスクが上昇する可能性を示唆している」と説明している。
 以前から野菜や果物の摂取の重要性は言われていましたが、この様なマウスの実験で所謂メタボ状態のマウスが出来るというのは少し驚きです。
日本での食生活の欧米化が叫ばれている昨今、小中学校の時代から積極的に野菜を摂る必要がありそうですね。

17.5.5 ツバメ
 当クリニックに飛来した一陣目のツバメ...仲良く子育てしている様です!

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