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佐藤浩明

消化器内科専門医で「内視鏡検査」のプロ

佐藤浩明(さとうひろあき) / 内科医

さとうクリニック内科・消化器科

コラム

低カロリー飲料で肥満?

2017年1月24日

テーマ:メタボの原因?

コラムカテゴリ:医療・病院

低カロリー飲料で肥満?

おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は「低カロリー甘味料で肥満?」という報告です。
 新たな研究によると、低カロリー甘味料は肥満の蔓延に寄与している可能性があるという。追跡期間28年間の男女1,454人からなる地域志願者研究において、低カロリー甘味料の使用は、食事の質、体重、体の大きさを考慮した後でも、より重い体重、より大きなウエスト、腹部肥満のより高い有病率および発生率と関連した。
 低カロリー甘味料を使用する人は、使用しない人と比べて平均体格指数(BMI)がほぼ1 kg/m2高かった。同様に、使用者の胴囲は平均して2.6cm大きく、腹部肥満の発生率は53%高かった。
 この研究者らは、この結果は低カロリー甘味料が内臓脂肪の沈着に悪影響を与える可能性があることを示すと述べる。「これらの研究結果は、体重管理戦略は、単に論理上のカロリー含有量を検討するのではなく人体が特定の食品タイプにどのように反応するのかを理解することに基づく必要があることを強調しています」と著者らは述べる。 さらに、「カロリー含有量とは無関係に、摂取された特定の食品はその後の食事行動に影響を与え、エネルギー処理に寄与し、腸内分泌経路および神経内分泌経路と相互作用を起こす腸内細菌叢にも影響を与えます。こうした機序のすべてが、最終的にはエネルギー恒常性に影響を与えます。こうした機序を通して、低カロリー甘味料が肥満の蔓延の一つの寄与要因となっている可能性があります」とも述べている。
 最近、肥満の増加が叫ばれ何かと低カロリー食品が宣伝される傾向がありますが、実はカロリーが低いから良いのではないと言うことをこの研究は示しています。先日も非成人以降にかなりの体重増加を呈した40代男性に何故、それだけ体重が増えたかの理由を聞いてみると...1日に4-5本の缶コーヒーを飲用していることが判明しました。近年は缶コーヒーも微糖のものが増えては来ていますが、微糖とは言え1本あたり100kcal程もあり、5本も飲めばそれだけで500kcalですからご飯2-3杯分に相当します。でも当初その患者さんはそれ程のカロリーを摂取しているということには気づいていませんでした。この様に摂取カロリーに関しては意外と自覚しないうちに取っていることも多く、低カロリーという宣伝文句には十二分に注意する必要がありそうです!

17.1.23 イルミネーション

 昨晩の郡山駅前のイルミネーションです。時折、雪の舞う寒い夜でした!

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佐藤浩明

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