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佐藤浩明

消化器内科専門医で「内視鏡検査」のプロ

佐藤浩明(さとうひろあき) / 内科医

さとうクリニック内科・消化器科

コラム

高齢入院患者は一日900歩以上でADL上昇?

2017年1月4日

テーマ:長生きの秘訣

コラムカテゴリ:医療・病院

高齢入院患者は一日900歩以上でADL上昇?

おはようございます。さとうクリニックの佐藤です。今朝は「高齢入院患者は一日900歩以上でADL上昇?」という報告です。
1日歩数と機能低下との関連を検討した結果、高齢入院患者は1日の歩数900歩未満がADL低下に関連することが示された。
 最近の研究で、フレイルまたは内科病棟に入院中の高齢者の歩数は1日900歩が標準的であることが示唆されている。今回の対象は、新たに計画された入院患者身体活動促進プログラム導入前の2015年10~12月に、北イスラエルの大学病院の2つの内科病棟の入院患者で65歳以上の177例。最長3日間、足首に加速度計を装着し、1日の歩数を算出。認知機能、日常生活動作(ADL)および身体活動量を測定した。主要評価項目は、入院関連機能低下スコアとした。
 その結果、1日の歩数は0~8,111歩と幅が大きかった。1日の歩数が900歩未満群は74例(41.8%)、900歩以上群は103例(58.2%)。年齢はそれぞれ77.2歳と74.1歳、発病前のADLスコアは 78.4と93.6であり、発病前手段的ADL、発病前身体活動、一般症状重症度、入院期間、抑うつ症状、併存症など多くの評価項目で両群間に有意差が認められた。
 入院関連機能低下は、900歩未満群の55.4%に対し、900歩以上群ではわずか18.4%だった。1日の歩数900歩以下は入院関連機能低下に有意に関連しており、多変量調整後の機能低下の危険率は4.7倍だった。
 今回の研究について、同研究者らは「単一施設で比較的機能良好な高齢者を対象とした点で限界がある。にもかかわらず、代表的な介在変数を広範囲に調整し、先行研究の不備を補ったことで、入院関連機能低下予防のための歩数1日900歩以上の推奨を支持する予備的なエビデンスを示した。これらの知見は今後、多様な高齢者集団で検証されるべきである」と述べた。  
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 昨日に引き続いてはせがわいさお’さんのオフィシャルサイトからダウンロードした壁紙を掲載させて頂きました!

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