「ちゃんとやってるのに評価されない人」の正体
ハロウィン終了。
街には魔女やゾンビが出没。
お店にはカボチャやお化けの限定商品。
毎年のことながら一過性の賑やかさ到来。
……日本人、そんなに仮装したかったん?
普段は着ないような衣装を買い、
メイクをして、
写真を撮って、
イベントに出かける。
年に一度、別の何かになれる日。
……とはいえ、私にはどうにも不思議。
何がそんなに楽しいのか。
みんなで盛り上がる場所が欲しいのか。
思い切り騒ぐ口実が欲しいのか。
それとも、日常から一日だけ脱走したいのか。
理由がよくわからない。
お化けも、なかなか商売上手。
それにしても、ハロウィンの商業展開は見事。
衣装を買う。
小物を買う。
お菓子を買う。
限定スイーツを買う。
イベントに参加する。
仮装するだけのつもりが、
いつの間にか買い物まで一式そろっている。
しかも、期間限定。
この言葉には、
なぜか財布の警戒心を解除する不思議な力がある。
普段なら買わないものまで、
今しか買えないとなると気になってしまう。
お化けに驚いている場合じゃない。
本当に財布をさらっていくのは、
商売の仕掛けだったりする。
ハロウィンは、ずいぶん優秀な消費イベントに育った。
……そして、最近は衰退傾向。
楽しみ方にも、歴史がある。
一方で、ふっと見かけたSNSの投稿内容。
ハロウィンの由来を知らずに楽しむ大人を見ると残念に思う。
確かに、
ハロウィンには、
古代ケルトの祭りに由来する歴史がある。
秋の収穫や死者の霊にまつわる風習などが起源とされている。
そうした背景を知れば、
仮装やお祭りの見え方も変わるのかもしれない。
ただ、
由来を知って楽しむのも、
知らずに楽しむのも、
それぞれの楽しみ方だとは思う。
クリスマスの由来を詳しく知らなくても、ケーキはおいしい。
お正月の風習を全部説明できなくても、おせちは食べられる。
お花見の歴史を知らなくても、桜の下でお団子は食べられる。
……食べることに関しては自由。
もちろん、
歴史や文化を知ることで、
楽しみが深まることも多い。
なので、
イベントの背景を調べるのも、
立派な楽しみ方だと思う。
仮装する人もいれば、
歴史を調べる人もいる。
参加の仕方は、ひとつじゃない。
ただ、
ハロウィンを楽しむために、
全員が古代ケルト史の履修を済ませている必要はなさそう。
私は、見学席で十分。
ハロウィンに限らず、
日本国内では次々とイベントが生まれる。
バレンタイン、ホワイトデー、母の日、父の日、クリスマス。
季節が巡るたびに売り場も衣替え。
次から次へと、
買う理由が用意されていく。
仕掛ける側も、
なかなか考えている。
そして、楽しむ側も、それぞれに楽しんでいる。
その光景を見ていると、
イベントそのものより、
そこに集まる熱量のほうが興味深い。
といいつつも、
私はその熱量についていけない。
仮装する予定もないし、
騒ぎに行く予定もない。
由来を調べて、
ハロウィン博士になる予定もない。
ただ、毎年これだけの規模で盛り上がる仕組みは、ちょっと気になる。
お化けは一晩で帰っていく。
商売の仕掛けは休まない。
……そう。
年一行事が毎月区切りなく作られる。
そちらのほうが、よほど働き者だと思う。



