自分の事はわかりにくい
最近、よく見かける。
「お手続きが簡単になりました」
……ほう。
スマートフォンで手続きできるらしい。
窓口に行かなくていい。
待ち時間もない。
便利な時代になった。
簡単になるまでが、長い。
まず、事前登録。
メールアドレスを入力して、
届いたメールのURLを開く。
本人確認をして、
QRコードを表示する。
それを読み取って、
認証コードを入力する。
……ずいぶん、入社研修が充実している。
まだ手続きは終わっていないのに、
システムの使い方だけは、しっかり身についていく。
研修が終わっても、仕事は終わらない。
「次へ進んでください」
はい。
「認証コードを入力してください」
はい。
メールを開いて、コードを確認。
元の画面に戻る。
……消えている。
さっきまでの画面が。
もう一度、最初から。
(`‐ω‐´)・・・…
本人確認は済んだのに、
今度は画面の居場所がわからない。
利用者がシステムを使っているのか、
システムが利用者を使っているのか。
こちらは利用者のつもりだった。
だけど、いつの間にかシステムの研修生召喚。
便利にする側が省いた手間を、
利用者が無償で引き受けている。
しかも、給与も研修手当も出ない。
簡単の定義が、行方不明。
もちろん、便利になった部分はある。
窓口に行かなくていい。
時間を選ばず手続きできる。
そこはありがたい。
ただ、手順がいくつもあるのに、
「簡単になりました」と言われると、
その基準を聞きたくなる。
操作が簡単なのか。
手順が少ないのか。
それとも、説明が丁寧になったのか。
説明が丁寧なのは、ありがたい。
ただ、何段階もの操作を用意して、
ひとつずつ親切に説明されても。
簡単という言葉だけ、ずいぶん身軽になった。
「簡単になりました」の説明を、
簡単にするところから始めてほしい。



